風速・時速378キロ
アメリカ海軍合同台風警報センター(JTWC)は台風30号「Haiyan」の最大瞬間風速が105m/sに達したと発表した(外電による)。時速で言えば378キロである。音速の1/3の風が吹いた。
古来日本では台風を「野分」と呼んだ。「野の風を分けて吹く風」の意だが、そこには傍から眺め、事が終わった後を知っている者の目線がある。どちらかというと季節の風物に対する視線ですらある。
しかし
「ストームチェイサー」Jim Edds氏の撮影
記事と動画は↓
ようつべ。
これは「暴風」そのものである(この記事は2013年11月12日に記載。消えている可能性もある)。セブの高級ホテルが地震のように揺れ続けたというのだから異常レベルと言って良い。またこの動画は高潮が今まさに始まらんとするタイミングの動画も収めている。消える可能性があるのでスクリーンショットを掲げる。
波護岸を乗り越え、次の波更に護岸を乗り越え、どんどん海洋の奥が高くなって行くのが見える。「津波のように」という表現が良く用いられるが、サイクルはより短く普通の波浪と同じであるが「海そのものが溢れてくる洪水」という観点では変わりない。そして暴風に乗って奥まで入り込んで行く。
高潮に襲われたタクロバン市の地勢を見る。海岸沿いに町並みが出来ており、空港など砂嘴の中に出来ている。これは福岡市の「海の中道」に空港があるようなものである。
凄絶な暴風に見舞われた人々は学校や教会など、風に対してある程度頑丈と見込まれる建物へ逃げた。
そこを高潮が襲う。
こういう小島の人々は避難出来たのであろうか。そもそも相手が死神であると知らされていたのであろうか。
フィリピン政府に対する「なぜ」「たら・れば」は幾らでも論うことが出来る。しかし、それは整備されたインフラと通信を持った我々の勝手な視点であろう。大きな島ならあらかじめ軍や備蓄を持つことも出来ようが、多数の島々あまねく、となると、日本がどれだけの費用と時間を投じてその整備をしてきたかという時点に立ち返る。携帯にプッシュで放り込んでそれを集落に拡散して回れ。言うのは楽である。だがその後どうする。その前に気象災害に対する基礎知識・科学的素養、という話になってしまう。逆に言えばそれらは今後フィリピン政府に必要で、日本が手伝えることでもある。
こんなもん日本に来たらどうしよう。
一つ違うのは国民一人一人のポケットに瞬時に情報が届き、受け取った全ての者がその内容を理解出来ると言うことだ。逃げ出しさえすれば命はどうにかなる。この際、新幹線の持つ1列車1000人という輸送能力がとてつもなく巨大かつ有効であることに気づくであろう。採算が、ストロー効果が、という近視眼的な視点を超越した使命・任務を果たすことが出来るのである。鹿児島から北海道までこの高速大量輸送機関が通る意義は国土人命の保全という観点で極めて大きい。
フィリピンは3.11で多くの方々が日本へ手を差し伸べてくれた。我々がそのお返しをする番だ。
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