俯瞰
ツイッターの会話から伸展して戯れ言。
「俯瞰中毒」なるネット用語があるそうな。まとめサイトなんかをつまみ食いして「判ったつもり」になり、上から目線で世の中馬鹿にする。
娘はクラスで友達作りたがらない「なんか視点が違う。趣味が合わない」偉そうに聞こえる言辞。まぁ恐らく同じであろう。ただ娘がこの感慨に至った背景には思い当たる節がある。
客観的に見て、名古屋の子は視野が狭い。学区・名古屋市・テレビである。12年までいた千葉の学校はカタカナ名の子もいるし、関東の一角でチーバくんの首根っこ。いわば「識別圏」が違う。東海三県とよく言うが「名古屋市とその他」である。でもそれだけ。関東とは視界が違う。
この根本には立ち位置の違いがある。東京は日本の基準にして「頂点」である。東京発の列車はみな「下り」。東京の流行の店が全国放送で流されることはあっても逆は無い。「東京は上」……インプリンティングされるのである。
この結果、例えば「東京から名古屋へ向かう」のと「名古屋から東京へ向かう」のは精神的障壁が大きく異なる。東京のスタイルで100分「のぞみ」に乗ってりゃ名古屋である。比して「東京へ出かけるための格好」をして350キロ遠くへ行く。これが「上京」である。できあがるのが視点の違いである。東京は世界に通じ、日本を見渡せるのである「俯瞰」の視点である。
加えて、娘にはいわゆる「普通の子」じゃ経験できないであろうことを意図してさせてきた。そも部屋中に線路敷いてる男である。「お前は普通になれ」無茶であろう。クラスの女の子たちが会えもしないアイドル集団にキャーキャー言ってる一方で、アニソン歌手とだべってサインもらってる。どっちが幸せか知らんが音楽のレベルは推して知るべし。
で、たまに近所の子が来て、おやつタイムにそうした歌手のCD回してサイン入りと知るや心底驚く。本当に雷に打たれたみたいにびくっと震えて目を見開く。なぜならそれは「東京」の産物だからだ。タレントさんがいる別天地・別世界なのである。言うまでも無くテレビの影響だ。「テレビの向こうの世界」それが東京なのである。
もちろんそれは誤謬である。行けばいいし、来てくれたタイミングで出かければ良い。だが書いたように「上京」ハードル高いし、タレントイベントは身近な事象で無いのでそも調べもしない。そういう「自分は知っているのに他の子は知らない」という事実を娘は多々知っている。防災訓練を不真面目で幼稚だとまで言い切る(そりゃそうだ自分はひとり下校中に震度5強に3分揺られたのだ。おためごかしの訓練に見えて当然)。そうしたあれこれ重なって俯瞰目線なのである。
これが伸展すると地方格差という奴になる。歯止め掛けるには新幹線という「ひょい乗り」できる高速輸送手段、そして親が何より地域に東京にこだわらず、色々経験させることが必要、とこうなる。ひょいひょい東京大阪出かける子と名古屋で動かない子。これは恐らく社会人になって差が付くあろう。むろん金銭面等無茶はあろうが、ならばせめてネット経由ならタレントとも直接交流できる。実は彼女ら「大きなお友達」が顧客に多いせいか、女の子は大歓迎という向き多い。合わせて、ン万人のハコに抽選で当たるかどうかの青いくさいのより貴重で素敵な経験になると思うがいかがか。
「普通」は無難ではあるが「ありきたり」じゃつまらんじゃないか。
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