首都直下地震に備える【3】
●発生確率と備え
①東京都心直下
・1855年安政江戸地震(M6.9)
・1894年明治東京地震(M7.0)
・1894年東京湾付近を震源とする地震(M6.7)
こいつらは今後100年スパンでだんだん間隔が短くなる形で増えて行く。
フィリピン海プレートの中なのだが、問題は断層の位置が特定されていないこと。なので都心のみならず、及び主な12の中核都市・重要地域の直下を想定したシミュレーションがされている。
②茨城県南部
③千葉東方沖
・1895年茨城県南部地震(M7.2)
・1921年茨城県南部地震(M7.0)
・1922年浦賀水道地震(M6.8)
・1987年千葉県東方沖地震(M6.7)
こいつらは定期的に起こっていて、文献から拾う範囲では、ばらつきはあるが平均すると23~24年間隔と言われている。1987+24=2011であって、東北地方太平洋沖地震の余震に紛れて発生していてもおかしくは無いが、前記の通り3.11はこの関東で押しとどめられたのであって、逆に「ひずみが溜まって起きやすくなった」と考えるべきであろう。スロースリップの観測もあり、最も発生が切迫している地震であると言える。
④関東地震(関東大震災の再来)
・1293年
・1495年(同定調査中)
・1703年(他より大型)
・1923年
(いずれもM7.9~8.2)
1495年は従来、1498年南海トラフ地震(明応地震)と混同されてきた。一方で、鎌倉大仏への津波記録があるのに、南海トラフでは大仏に達する津波が再現出来ないので、何かの間違いだろうと言われてきた。が、1495年も1498年も大地震で、片方を元禄の1つ前の関東地震だと考えればスッキリすることが判り、大仏への津波を傍証する地学的痕跡も見つかったことから、現在調査中である(明応年間の関東は3年の間に震度6級に2回襲われたことになる)。
そしてこのように綺麗に200年前後の間隔で揃うため、次は2100年代で、それまでにガチッとした防災体制を整えようとしている。100年スパンの計画である。
⑤房総沖地震(延宝津波地震の再来)
・1677年(M8.0)
こいつは「いつ起きるか判らない」「いつ来てもおかしくない」というのが真相であろう。問題は震源が遠いため、地震動自体はさほどではなく「なーんだ」と思ってると5メートル以上の津波が来る、という状況になることだ。
●備え
総合して言うと向こう100年後の「22世紀関東大地震」に向かい、関東全般にM6以上級の地震が次第に間隔を詰めながら発生して行く。その場所は「巣」である千葉県東方沖、茨城県南部での群発的な活動をはじめ、関東地方広く「どこでも」発生しうる。
直下なので緊急地震速報は間に合わない。震度は5強~6弱に達する。21世紀後半になり、関東地震本番が近づくとM7・震度7もあり得る。
「どうすりゃいいんだそんなの」
怖いのはいきなり来ることと、震動パターンによる落下・倒壊である。家の中ではサッと隠れられる場所を設けておくべきだし、転倒防止、食器棚のロック、積み上げすぎないなどの対策が欠かせない。またシミュレーションペタペタ貼ったが「揺れやすいところ」(特に3.11でゆらゆら揺れた、液状化が起きた)は更に揺れが大きくなるので、かなりガッチリとした対策が必要になる。もちろん、それでも周辺で倒壊や発火は避けられないので、揺れが収まったらすぐ逃げる必要があり、避難場所の確認が欠かせない。これは自宅のみならず、通勤・通学の途上や行き先も調べておく必要がある。
関東地震はまだ来ないし、延宝地震は津波が主体である。が、プレート内のタイプはいきなりがつんと来る、しかも今後増えて行く。
日頃の備えと、慌てないための訓練を。あなたが今関東にいるなら、3.11の揺れは貴重な経験。
阪神・淡路大震災に寄せて。
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