オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ 2014
行ってきた。出展メーカは以下の通り。★はガチ聞き、●はブース覗いた、無印は見てない。なぁゴールドムンドあれだけやらかしてまだ出る意味は?
スペック
JVCケンウッド
●デノン(DENON)
●マランツ
●パイオニア(TAD)
★アキュフェーズ
ネットワークジャパン
ディナウディオ
富士通テン
ノア
タオック
●ラックスマン
ナスペック
ヒノエンタープライズ
★ソニー
トライオード
ゴールドムンド
●エソテリック(TEAC)
●オンキヨー
メース
以下技術トレンド追う意味も込めて、3社ピックアップして紹介。
■オンキヨー
ハイレゾ音源普及促進に腐心。今回もそれメイン。デジタル信号は充分に高速のPDMに変換すればぶっちゃけそのままダイレクトにスピーカドライブしても良いが、対応したアンプを作ってきた。
右下のコネクタからスピーカへ出す。これで40W出せるという。もちろんスピーカ内蔵出来るサイズ。
「PDMは高解像度なのですが、パワー感が足らないと言われることがあって、その原因の一つが『ゼロ点』がない」
まぁ「H」でプッシュ「L」でプル。ダイレクトドライブとなるとそうなる。HとLの数の平均点がスピーカ駆動電力と言うことになる。中間点=ゼロはない。
だからゼロ点を用意した(3ステートはH、L、0の意)だが、具体的な方法について言及はなし。まぁ回路見る限りケミコンの数からしてプッシュプル回路であり、どっちもオフで挙動制止点を与えたのだろう。引き続き頑張って欲しい。なおこのアンプ自体はまだスピーカの起電力に負けてる。
CD:DP-720
インテグレートアンプ:E-600
スピーカ:ソナスファベールオリンピカIII (リンク先PDF注意)
ハイレゾを懇々と聞いて行く。至高の空間である。バッハ「目覚めよと呼ぶ声あり」をギターで。へぇ、バロックのモダン化みたいな。引き続きマイケル・ヘッジス(Michael Hedges)、森麻季「赤とんぼ」。ただこれらはアナログ起こしか。エッジのきつさがある。他にアヴェマリア、カーペンターズ。
ハイレゾを聞き始めたきっかけは昨年のこのイベントであるが、聞き慣れると次元の差が際立ってくる。特にピアノは顕著だ。CDフォーマットのピアノは鉄の味がする。
なおアキュフェーズのこのアンプはパワー段自体は素子にFETを使った純A級アナログなのだが、ボリュームと出力段に工夫がある。すなわち、プリアンプがゲインの異なる複数のアンプをパラレルで並べてあり、ボリュームダイヤルの位置に合わせてどう組み合わせるのかCPUで制御するのである。また出力の保護段も低抵抗FET、共振防止Lもバイファイラ巻きでインピーダンスを下げ、ダンピングファクター500を確保。
アンプはワッテージより制動力である。ウチの車載置き換えでよく分かった話を再確認。
「解説は以上になります。お客様お持ちのCDなど演奏いたします」
さて昨年はTADで五條×うちやえを鳴らしたが。
Blu-Swingを持ち込んでみた。最近J-WAVE等で良く掛かっているらしい「SUNSET」を鳴らしてもらう。
ん、とね、これBlu-Swingの中の人も見ているわけだがそのまま書こう。音像大きいしエッジも丸い。音質的にはメーカー用意した各種の板と差は明らか。
が、書いておかねばならぬことがある。この「SUNSET」はYu-riさんの日本語ヴォーカルが入っているわけだが。
♪溶けていくわ~
衆目が揃ってこっちを向いたのである。あげくに
「ジャケット撮らせてもらっていいですか?」
マジデ?
もちろんOKだがこうなった理由は幾つか思いつく。まずジャズというジャンル自体、マイルス・デイヴィスとかその辺をずっと引きずっていて、追いつけ追い越せだの前を見てないこと、そして
名古屋でジャズのライブはそうそう巡り会えないこと(名古屋スルーと言う)
「検索すれば出てきますよ」
「ありがとうございます~」
ステマステマ。
昨年はずっと調整中で覗きもしなかった(できなかった)ソニー。今年は4Kシアターとハイレゾ引っさげて本気モード。
HDD:ネットワークレコーダHAP-Z1ES
アンプ:TA-A1ES
スピーカ:SS-AR1
4Ω200Wからのスピーカだが定格80Wのアンプで無理なくドライブ。出力によりA-AB級切り替え運転。素子はバイポーラ。
手始めにKeith Grenninger 「Looking for a Home」
どこかで見たようなインタフェース。音は理知的。いわゆる「ソニーの音」。よく言われるのは「送り出しは良いがスピーカには使いたくない」まぁその意図は分かる。人は無意識にスピーカを個性ある楽器として認識している。そういうのを拒否するソニーの音は当然応じた反応となる。ちなみに「アキュフェーズは出始めからずっと嫌い」という方もいた。まぁ趣味の領域人それぞれ。
シャンティ。大人気だそうだが、この人の声はハスキーなのだがエッジに付帯音が付いて聞こえた。オレの耳のせいかなぁ。でもハスキーでもそうじゃない場合もあるし。
びびったのはこれ。モーツァルトバイオリンコンチェルト4番(K218)/Marianne Thorsen。5.6MHzDSD。その何だろ「モーツァルトこれを意図して作ったんだろうな」みたいな。ちなみにモーツァルトは典型的な「天啓・啓示」型だが、理詰め積み上げのソニーシステムと親和性の良い不思議。
「ハイレゾはぜひスピーカーで聴いて下さい。イヤホンなどでもリアルに聞こえますが、実際に空間で空気震わせてこそ、雰囲気など表現できて真価を発揮します」
テクニカルエクスペリメント。CDフォーマットPCMからの復調方法を2通り試す。
元々PCMはビット値に応じた電圧源を用意しておき(実際には無理なので抵抗分圧で作る)、1秒間に44100回それぞれの電圧値を出力、切り替え時の雑音をフィルタして音楽信号とする。比してDSD/PDMは電源は1個で、ビット値が増えれば増えるほど電源をオンする回数を増やして行く。オンオフするので雑音出るが、メガヘルツレベルで行えば耳には聞こえない。ヘタすっとフィルタすら要らない。もっと言うとそのまんまスピーカ突っ込んでも良い(上記オンキヨーのアンプはこれ)。
音的には一長一短「DSDだと質感は高いが音に厚みが無いとよく言われます」・・・オンキヨーの話にも通じるが「ゼロ」の生成がHとLの平均点としてのゼロ、いわばバーチャルゼロ点なので、アンプが制動してスピーカを止めているゼロと違う。今後の詰めどころはこの辺だろう。
■総括
今のオーディオのトレンドは完全にハイレゾで、主眼は復調・増幅の落としどころであろう。DSDのままスピーカへ持ち込もうというのがオンキヨーやパイオニアTAD。FETなど高速素子でA級アンプとし、あくまで高精度にアナログ変換してから持ち込もうというのがアキュフェーズ。ソニーも変換と増幅は切り分けている。素子も進歩し高速演算回路もあるのでぶっちゃけ手練手管は多種多様。各社各様で非常に熱い。また色々言われるソニーだが、技術者の思いの強さは失われていないと感じた。
さてこうなると注目が向くのは録音系だ。アナログをDSDにするのは原理上はカンタンである。ヘタしたら昨今ポータブルADの方がスタジオに鎮座まします太古の名器ン百万円より高性能かも知れぬ。また、楽曲提供の段にあっては、配信でクレカ決済がメインであり、著作権問題や流通・在庫の問題も一挙に解決する。ミュージシャン各位におかれては少なくとも今後の音源はハイレゾで確保することを検討されたい。
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