音楽に関する少しネガティブの集約と吐出
レビュー書かないまま止めてあるCDが2枚ほどある(アーティスト別々)。どっちも作品としては特段引っかかるところはないのだ。
その理由。
いつの頃からか書き込まれた音情報細大漏らさず聞き取るという聴き方を好むようになった。音痴さんでも声自体は魅力的だったりするなど新たな発見、何よりリアルさが楽しいのだ。最もその代わり、一音ずつ切り取って調整して貼り付けたりするとそれもまた判ってしまう。
「音質の話か」
とはいえ受け付けられないと思ったのは過去「●ンドバーグ」くらいなものだ。ちなみにどうだったかというと、とにかくヴォーカルの録音レベルが低い。常識的な音量だと何言ってるのか判らない。かといって音量を上げるとバックトラックが出しゃばってうるさくなる。しかもうるさいだけならまだしも、低域はスパッとカット、高域はナロウでメロウ。そのくせ全体がドンシャリだから目も当てられない。ドンドンガシャガシャうるさいくせに本当の低音と高音は入っていないのである。渡瀬マキちゃん台無し(伏せ字の意味なし)。
それでもカセットのウォークマンの頃にはフェイバリット作って聞いてた。
①イヤホンで聴く分には損失無く耳に入るので、単純に左右の和1+1=2でボーカルが聞こえる
②カセットなのでバイアスやイコライザでやかましい高音穏和に出来る
③当時の性能で低音はそもそも望めない
からだ。が、時代が下ってデジタル化し、イヤホン性能上がって再生音域広がると耐えられなくなって聞くのをやめた。先日久々聞いてみたら何と小さく縮こまった音であることよ。
で、本題。
だ、そうな。ここで書きたいのは後者の方(ソース)
ヴォーカルばかり、逆にヴォーカル以外がデカすぎるの。しかも最大音量のまま貼り付いてるから抑揚が無いとか、ノイズ(付帯音・輪郭強調的な)がついて回ったりとか。せっかくの声が何ともまぁ勿体ない状態。最も後者はデジタルのリサンプリングのせいという可能性はある。周波数成分が耳鳴りに近いからね。
★一番耳障りな「蚊の翅の音」が4KHz。CDはサンプリング周波数44.1kHz。仮にマスターが48kHzで作ってあると、差分(CD化する時に落とされる信号の数)が3.9kHzになる。定義上、これと、これの倍音が「うなり」として乗る。なので、普通は2倍3倍のオーバーサンプリングしてノイズをシェイプするのだが。。。ナニ?コンバータの動作周波数とFM放送のスプリアスだって?
とはいえライブハウスに比べればましな方で。いくつも回ってるが「音質」という観点で合格と書けるのは、先日行った表参道「Future7」と銀座「MiyaCafe」位。後は正弦波(~)であるべき音楽信号がクリップされて矩形波(_| ̄|_| ̄←⌒の部分がカットされて消えている)になってる。ひどいとただ単にスピーカーが「ボー」と唸ってたりする。ギター→ギターアンプ→スピーカー→マイク→PAとかワケワカラン配線も多い。いやギターアンプからPA持って来いよ(しかもこのPA用のマイクがギタリストのモニタ用のスピーカーを拾ってハウリングとか)。
まぁ絶対音感持ってるからって歌がうまいわけじゃないし。音楽産業に関わってるからって音質や信号処理に関する技術や理論知識持ってるわけじゃないし。でも音楽である以上f得とDレンジも「質」だし、そこ抑えないと魅力が伝わらないと思うのよ。そこは理解して欲しいし、いじる機材の目的や性能は把握していて欲しいと思うのよね。イコライザ全部上げでラウドネスオンして「迫力あるだろ」って中学生じゃあるめえし。CDに話を戻すとCDフォーマットおろそかにしてCD売れないもへったくれもあったもんじゃねえ。
電子楽器じゃ無いなら生録という方法があるんだけど、ギターやシンセとかエレキだからね。「最初から電気信号」と「音波を電気信号に変換したもの」混ぜて「音楽」を作るわけで。そりゃ簡単じゃ無いでしょう。でも、お忙しいとは思いますが、スタジオのモニタだけじゃ無くて、ヘッドホンだけじゃ無くて、使いすぎてへたれた業務用だけじゃ無くて、質の高い民生用でもいっぺんチェックしてみて欲しいものであります。
★録音エンジニアリングで最も注意が必要と考えるアーティストさんの例。スペアナ右から16kHz・8kHz・4kHzとlog系。サ行の発音の瞬間がこれ。8kHz・16kHz成分(4kHzの倍であることに注意)が多く含まれる。俺なら彼女は44.1系の倍の88.2kHzか4倍176.4kHzを使うだろう。ちなみに彼女はマイクをテクニカのコンデンサ式に変えたがこれは妥当な判断と考える。この成分で俊敏に立ち上がる声であり、ダイナミック型では追いつけまい。
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