科学VS超常現象【3】
●精神動力(PK:PsychoKinesis)
テレキネシスとも。ちなみに「テレ」(tele)は遠隔の-を意味する接頭辞である。「テレビジョン」(tele-vision)は何のことはない、遠隔視能力のことで、それを実現した機械に付いた名。
さておき、ESPが感覚関係なら、PKは運動系である。離れたものを動かす。物理学ではそうした「力」を4つ認定している。重力、電磁気力、弱い相互作用、強い相互作用。である。ここで相互作用の連中は原子核が~素粒子が~という話なのでさておく。念力が仮に存在するなら重力を遮断するか重力に打ち勝つか、とこうなる。先に質量の根源と言われる「ヒッグス粒子」が見つかって話題になったが(少なくともオレの中では)、重力の根源は「重力子」(グラビトン)が担う。ただ計算上の存在(あると仮定して式を立てると上手く解ける)で、仮に粒子として顕在化しようとしたら「宇宙創成」に近いエネルギが必要になる。このことは、重力以外の力を一つの式で書くことに成功しているが(大統一理論)、重力をくっつけた理論はまだ出来ていないことからも傍証される(超ひも理論が候補だが「E8×E8対称性を備えた26次元で振動するひも」わかる?)。
さて話が一挙に先端物理に飛んだところで番組でも登場したジョセフソンを引き合いに出そう。ブライアン・ジョセフソン。電気が流れないはずの「絶縁体」を挟んで超伝導体から超伝導体へ電流が流れる現象を「ジョセフソン効果」という。絶縁体を飛び越して電子が流れる現象は「トンネル効果」として知られていたが、超伝導体でこれをやると、超伝導体を「丸ごと1個の電子」として同じ性質が表れる。こっちの動作があっちを動かすのである。これは「電子」が粒子であると同時に「波動」の性質を持つと考えると上手く説明できる。電子が直接飛んだというより、波があっちからこっちへ伝わったと考えるのである。
で、ちょっと説明を端折る。電子の波動性を証明する実験を二重スリット実験という→二重スリット実験を式で表現したのが「経路積分」→この「経路」はどこを通るか決まっていない。これは「量子ゆらぎ」があるから→量子はそうしたいろんな経路の重ね合わせの結果としてその存在が証明される。これを「コペンハーゲン解釈」という→量子の位置が決まることは、数式上は「波動関数」が収束した状態……
とかやってって、ややこしい事態が出てきたのだ。「1つの素粒子が崩壊して2つの電子が出来た」状態で、この端折った部分の現象を考えた時、この2つの電子について波動関数をウニウニいじると
時空の一点 (座標r , t ) に加えられた「外力」は、他の点 (座標r' , t' ) においても物質中に変化を引き起こす。r とは異なる点r' に変化が起きる。
という性質をもつことが式で導かれてしまったのである。これが番組でも取り上げられた「量子もつれ」である。離れた場所に力が及ぶ(小難しく書いたのこの辺)。なるほど念力の示す現象そのものではないか、とこういうわけだ。ちなみに「意志の決定」とは脳の中で「波動関数が収束した瞬間」と考える向きもある(量子力学の意志解釈)。しからば、脳とは別の場所で、「量子揺らぎ」によって結ばれた別の粒子も変化しているだろう。と説明できる。こう考えると番組で扱った乱数発生器の異常はその一端とも言えるし、念動力者(サイコキノ)は、意志決定時に沢山の量子を扱っている人、となり、よく言われる「強く思う・念じる」という作業と親和性が出てくる。ただまぁ、これもこじつけに近い。
●結言
ジョセフソンが「超能力の研究をする」と発表した際、「あーこいつも終わったか」と正直思った。なぜなら、エジソンも晩年は霊界通信機の開発に没頭していたからだ。知りすぎた人は知らない世界を解明しようと乗り出すのであろうが、大体その頃にはお年のせいか少し発想がアレ過ぎていることが多いからだ。が、量子力学はアインシュタインが導いた枠組み「物体にどんなに高いエネルギを与えても四次元時空を超えた挙動は取れない」に対し、離れた相互作用や、時空の26次元構造など、アインシュタインの業績を否定する(或いは全体の一側面に矮小化する)方向に進んでいる。超常現象は四次元時空を超えた事象そのものであって、科学的な解答を与える一つの手段になるかも知れない。ただもちろん、それは全容ではなく一部だけにとどまる可能性も充分ある。ともあれ、頭から全否定する必要はなさそうである。
最後に2つ。自分自身が経験した不思議な現象を書いておく。ひとつ、就職の内定はその前日に「わかってしまった」。ふたつ、裏ブログで書いてる物語群にプロットは存在しない。進むままにしておいて勝手に終わるし勝手にテーマが付く。ほぼ自動書記状態である。これは現在進行形である。
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