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2014年4月25日 (金)

追い詰められた果てに~4月25日に寄せて~

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仕事柄このカーブは年に数回通る。遠地でも通い慣れたところは大体ウォークマン聞きながらイスにふんぞり返っていることが多いが、ここだけはそういう気になれない。姿勢を正して一礼するか手を合わせるか。これの時は特急で通過したが、リクライニングシートでふんぞり返るなど論外の気分。

尼崎事故。鉄道ヲタクとして、安全第一の現場にいるものとして、忘れることなどとてもできない。

事故原因:スピードの出し過ぎ、およびそれを見越した減速装置の未設置

確かに直接はそうだろう。だが真の原因は実現困難なダイヤ構成とそれを体罰じみた方法で強要する会社の仕組みに他ならない。ここをご利用の方なら、ちょっと鉄分の濃い方なら、この線の朝ラッシュで15秒停車でダイヤを組むなど「正気の沙汰では無い」とすぐ判ろう。客が降りきる前に扉を閉めろというのか(この空撮で言うと右上に大きな工場がある)。

安全とは確認の繰り返しで危険が無いことの確信を得ることである。
安全とは目前のみならず、作業に伴い必要な周囲や想像可能な時間線の向こうに目を配り気を配ることである。
それは当然、目の前の作業に追われてるような状況では確認や気配りなどままならぬことを示唆する。安全とは応じた余裕の確保を要求する。余裕を削った職場に真の安全や質の高い仕事はできない。実際この路線のダイヤは今もって夕刻に向かい遅れが出てくる。リンク先記事の日は朝事故があったが、夕刻帰る時点でまだ引きずっていた。余裕が無いから回復に必要な余地が無いことを示唆する。

「効率化せよ」とよく言う。ウチの社内でも言う。だがそれは実際、単なる「早くやれ」の言い換えになってはいないか。「非効率」とアナタに見えるその余裕は、実は安全確保に必要なものではないのか。

労災がウチに寄らず増えている。「早く早く」で何もかも削った挙げ句に超満員の船を沈めた国が隣にある。ただ早いだけは決して質の高いことを意味しない。

安全第一ヨシ。今日も一日ゼロ災で行こうヨシ。私は彼を責めない。彼もまた、心も追い詰められた被害者の一人。真の原因は追い詰めた仕組みと組織。

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