父の影
母から電話。
「父ちゃんレントゲン撮ったら『影が広がっててガンかも知れない』って言われた」
間質性肺炎とは聞いてはいた。
若い頃は「超」がつくほどのヘビースモーカーだった。缶入りの両切りピースを吸っていたと言うから完膚なきまでのニコチン依存症である。だがそれは肺胞にコールタールを塗り重ねる行為そのものであった。第一子(オレ)が生まれてセブンスターに切り替えた。95年末、大病を患い入院し、ようやく煙草との縁を切った。着替えの交換で見舞った帰り、夕空に堂々たるヘールボップの勇姿が横たわっていた。よく覚えている。
さておき。
間質性肺炎
要は肺が壊れて行く。
肺がん
基礎疾患(もともと持っている病気)として、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD) などがあると、肺がんにかかりやすいことが知られています。
(以上ソースここ。以下も同じ)
ちなみに肺炎→肺がんへ至るメカニズムは見つからぬ。とはいえ我が父齢70。積年の発ガン物質吸い込み、免疫力低下。あり得ないと言い切れる論拠根拠も見つからぬ。
「PTCTで全身を撮って転移してないか見るんだって」
PTCT?ああ、ポジトロンCT(PETCT)のことか。
おいおい転移ってIV期じゃねぇか。
「全然自覚症状はないんだけどさ」
そらそうだろうよ。そこまで進行してたら即入院で抗がん剤流すわな。ちなみに間質性肺炎はそういうわけで行方知れずであるから、定期的に胸部レントゲンを撮っており、変化が無いか常に見ている。余計、「いきなりがん化して急速に進行した」ってのはムリがある。
「もしガンだったら穴開けてサンプル取るんだって」
穿孔でカテーテルが出来るからね今は。
で、タイプを調べて応じた治療法を見つけます。
「テレビ代は今度でいいな」
いつでもいいよんなもん。カネかかるだろうがこの検査。
「3~5万だって。装置見てきたんだけどさ。事例集があって『転移ガンが見つかりました』って自慢してるんだよ。イヤんなっちゃってさ」
ひっひっひ。ちなみに30mSV位被爆するぜ(ベータ崩壊で陽電子を発生する放射性物質を故意に身体に入れます)。
「被爆なんかどうでもいいよ。いっつもCTとかMRIやってるし」
オレもラジウム泉入ってきたぜ。
なんだこの父子w
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