でーでーこん~nano_iDSDを試す~
タイトルで「RCC」とか「トランス」「チョッパ」「FET」等の用語が思い浮かぶ方も多いと思うが、そっちはDCDCコンバータ(直流-直流電圧変換)である。対して主題は
デジタル-デジタルコンバータ。DDCのお話。
現状、ハイレゾ音源の再生はPCを使うことが多い。配信でデータを買うので保存しているPCから音を出す。至極当然の帰結である。ここで問題になるのは音源データをどうオーディオ装置に流し込むかである。オーディオ側にUSBが標準化され始めたのはここ1~2年の話である。
USBで受け、オーディオ用の光なり同軸なりにデータを吐き出す機械が介在する余地がある。デジタル-デジタルコンバータ、DDCである。
自分の場合、PCからオーディオへの送り出しDDCはこいつを使っていた。PC標準のドライバで動き、データレートはCDフォーマットである44/16固定。CDをパソに吸い上げて聞く分にはこれで良かった。問題はハイレゾである。Z11を自宅に引き上げるのはイイとして、4600あてがう実家側どうするか。現状、DSP-AX4600にPCからハイレゾ音源を叩き込めそうな手段は2つ。
・PC→HDMI→アンプ:実験結果NG(4600のHDMIが1.1だからっぽい)
・PC→DDC→同軸デジタル→アンプ:?
で、ハイレゾ音源はフォーマット様々なのだが、現状最強はDSD5.6MHzか192kHz/24bitで録音されている。アンプは同軸デジタルどこまで受け付ける?
ご存じの方は多いと思うが、現在販売されているデジタル入力付きのアンプは、同軸・光とも96kHzがリミットになっている場合が多い。それ以上はHDMIを使ってくれというのが普通だ。しかしここだけを読む限り192kHzも受け入れそうな「雰囲気」である。
192を受けてくれるなら、自宅ではZ11をHDMIで、実家では同軸で運用出来、ハイレゾ対応遜色ない。
「実験」してみることにした。用意したハードは。
イギリス「ifi audio」(あいふぁい・おーでぃお)社製「nano_iDSD」。入力はUSB、出力は同軸デジタル、ラインレベル、ヘッドホンと全部入りの現況最強仕様。DDCだがDACだしポタアンでもある。お値段2万5千円なり。日本代理店のページはこちら。取り扱いは家電量販店通販など。自分はビックカメラ。あっせんぶるinちゃいな。
これを使って試す。試験項目は以下の通り。
パソコン→DDC→アンプ
ウォークマン→DDC→アンプ
ウォークマン→DAC→ヘッドホン再生
●パソコン→DDC→アンプ
ついでにインスコ法も書いておく。まずメーカサイトからドライバソフトをダウンロードする(MACはプレインスコされているので不要)。ソフトを走らせると機器を繋げと言ってくるので接続し、ボリューム兼スイッチをひねって動作状態にする。あとはやらせておけば良い。なお、USB3.0に繋げられる構造になっている。(以下2014/5/24改)5/24にリリースされたソフトを使って欲しい。
うまく行けばこうなる。iFiを規定のデバイスにしておけば・・・
USB側は繋ぎっぱで良い。ボリューム兼スイッチをオン/オフするだけで、USB経由出力か、内蔵スピーカ出力か、切り替わる。オフ時は通常通りパソ内蔵のスピーカから音が出、DDC自体は自分の電池に充電する(この電池はポタアンとして動く時に使用する)。
なのだが、画面オフ機能を使ったり、スタンバイから復帰したらマウスが死ぬなどしたため、これら節電機能を使用する場合は使用(充電完了)後USBは抜くが吉。
周波数とビットレートの上限はここでいじった結果に対応する。
さてこの画面「テスト」の文字がある。クリックするとチャイム音がでて確認できる。
OK。
DDC経由の音出し自体は、DDC認識→所定の音源再生ソフトGoで良い。上記「プロパティ」で設定した周波数/ビットレートで音が出てくる。なお、これで192/24に設定すると、44系、48系の音源も含めて192にアップコンバートされて出てくる。理論上は音質の変化はないはずだが、ちょっと上品になる。不思議。
●ウォークマン→DDC→アンプ
パソの代わりにウォークマンを繋ぐ。それだけ。
うまく行った。96/176/192各音源追従し綺麗に音が出た。
■結論
ヤマハDSP-AX4600は同軸デジタルで176/192を認識し音が出る
nano_iDSDは不足無い能力を有する。
●ウォークマン→DAC→ヘッドホン再生
DDC再生が可能ならこっちも可能なのは自明だし、メーカーもこれを喧伝しているがまぁ確認まで。
当然OK。なお当方は普段使いのイヤホンMDR-EX1000。オーバーヘッド型ヘッドホンMDR-CD900STとしており、これらはZX1の内蔵アンプで充分鳴るため、nanoをポタアンとして使う予定はないが、ついでなので試してみた。率直に言うと、中高域に少し硬さ、中低域に持ち上がる感じがあり、ボリュームは微細な音量調整がやりづらい。ただまぁ外国製によくある「変な個性・色づけ」はない。ハイレゾ対応の再生機外付けポタアンとしてアップグレードに使えるであろう。
■結論2
ポタアンとしての性能はZX1比向上は感じないが、変な演色はなく「無理なく」鳴る。
●まとめ
実家PCはデスクトップで相当早いので、こいつ使って192/24充分に鳴るなら、自宅実家とも192/24対応に出来、完璧となる。果たして!?
【補遺】
オーディオ交換プロジェクトに関連し、用途廃止となる「D-T1」はハードオフに流した。20年から使って1万2千円なら上等。このUSBコンバータ半額で更新した感じ。ありがとな。
(2014/5/24:ドライバアップデートを反映して訂補)
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