愛着のある製品ねぇ
を、作りましょうという講座。それはメーカーへの贔屓に繋がる。ざくっと言うとね。で、それは八方美人よりもどこか尖った製品の方が愛着を呼びやすい。
「ユーザーと対話できる(使いこなし反応がある)ような製品だといいですね」
おおむね同意。ただ同じ機械でも人によって違うと思う。ここに映ってる似た者どもで書いてみよう。
まずiPhone(一番左)。好きすぎる人いっぱいいる。いろんなアプリ、アクセサリ、言語解析人工知能Siri。ただ、自分の場合電話カメラ&手のひらネットガジェットの枠から出ていない。動画を見る以上の機能はタブレットを使うから、というのもある。ちなみにアンドロイド端末の方が更に高速で多機能なのだと思うが、そういう使い方であるから、iPhoneで何ら不便はない。愛着、とまでは行かないが道具としては気に入っている。
ウォークマンA857(一番右)。全くもって単なる音楽再生機。ベーシックなリニアPCM再生機。基本機能だけ。それしか出来ない。それだけなら不足はないがそれ以上のことはない。特に愛着はないが使用3年で捨てるというほどではなかった。
ウォークマンZX1(真ん中)。悪口も聞くが、イヤホン挿して10分位でほんのり温かくなって実力発揮とか「対話」の性質そのものだろう。音源サーバにも使え、デジタルで取り出せば音質は下流の機器で幾らでも引き上げられる。この辺りA857にはない「解放」「いろんな使い方」「無制限の可能性」がある。ちなみに家でこれを音源サーバに使うことはまずない……予定だったが、ブルーレイのUSBに挿すとブルーレイのリモコンでコントロールできるので、食事時のBGM送り出しなど、時折出番がある。愛着、とまではまだ行かぬが、愛用はしている、と書けるだろうか。
ちなみに当たり前の話だが、「こういう機械作れば、こういうことが出来る」というのは、アウトサイドンとかいうが、顧客目線じゃないと思いつかないことだ。その点で例えば、昨今の国内「ユニバーサルプレイヤー」と呼ばれる円盤再生機など、帯に短しタスキにもならず、と言ったところか。「ハイレゾ音源再生機」と見た場合、該当する円盤で再生できないものがあるとか「何でそんな中途半端?」としか言いようがない。SACDだけダメとか、DSDディスクはダメとか、客の立場からしたらサッパリわからん。
一方例えば商用車として知られるトヨタ「プロボックス」。基本機能だけ、質実剛健なつくりだが、それで支持されている。尖ったところが無いように思えるが「積めるだけ積んで、得意先を回り、乗り降りを繰り返す」という商用車の要求に合致した内容と捉えると納得できる。ちなみにZX1も「音質一辺倒」という要求だけを見るなら同じことが言える(ZX1はウォークマンとしては最高価格帯だが、携帯オーディオとしてはもっと高価なものもある。念のため)。
時代は変わった。機械の設計というのは、過去いじった経験が今の設計に出て来るものだが、今の時代が要求する機械は今を生きる者でないと恐らくは正確ではない。「自分が客ならどんな文句を言うか」時々立ち止まって何度も見返す必要があるのだろう。
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