ソニーXBA-A1
●冒頭の能書き
娘にウォークマンA10を与えるに当たっては(そっちのレビューはこっち)、イヤホンは上位機種A3にほぼ決め打ちしていた。量産品で音質確認…のつもりで量販店で試聴、
しようとして、
耳に突っ込んだ。
そしたらごつい。ドライバでかい。おいおいBAは小型化メリットじゃ。そして聞くのは自分ではない。もっと耳朶の小さい娘だ(ジカイで引っかけたギャグでは無い)。
及び、イヤーハンガー形式ってどうなのよ。イチイチ耳に引っかける。スッと耳に付けられない。
男は道具を装着する儀式を好むが、女の子はキカイに自分を合わせるんじゃ無くて自分に合うキカイがいいんじゃないのか。
ちなみにややこしいのだがここまでファッションと外れると逆に「ギャップ」が意味を持つので、一体性・シームレスはあってはならないのである。そして、どっちのラインを選ぶかはキミ自身だ。
てなわけで使い勝手重視&耳のサイズよりソニーXBA-A1バランスドアーマチュア2ウェイ。そのA10のレビューにおいては1万円クラスのイヤホンお供にと書いた。1万円のイヤホンそのものだ。娘の耳にあてがってこんなもん。まぁこんなモンが適当だ。以下メカ弱系向けに数字や機材は控えめに表現する。難しいと思ったら流して構わない。
なお試聴においては極力音源の質を上げるため送り出しはウォークマンではなく
とし、更に聞き慣れたイヤホンの影響を避けるため比較リファレンスは
とする。しかしDSP-Z11はヘッドホン部分150mV/100Ω(修理マニュアルには40mV/8Ωとも)どういう意味だい?「150mW」なら話分かるが。ナニ?普通にスピーカー用パワーアンプに100Ω繋いでるだけ?まぁいいや。ちなみにそんなわけで「女子」をターゲットに書くので音源はいつもと異なる。
●プリキュア系
・まかせて★スプラッシュ☆スター★/うちやえゆか
毎度書くが本人の生歌を知っているのでリファレンスにしている。
中低域にドン、と持たせてあり、高域をシャリーンと輝かせてある。ただサ行の発音がキリッとしているので下品にならない。「1万円」というのは携帯オーディオ機器に対する出資として大いなる関門なのはよく知っている。応じた成果は得られるとしておく。
・Rose in Rose/五條真由美
「五條さんならMaxHeartじゃないのか」代表歌はそうだが楽曲自体はこっちのスケールが随一。
その中低域ドーンが、音数多いこの曲だと少しマスキングの効果を持ってしまう。スタックスで再生すると広く深く散りばめられた数多(あまた)の音の中に五條さんのボーカルが燦然と降ってくるのだが、そのボーカルは表現しこそすれ細かいところは取りこぼす印象。なお音場感はスタックスやスピーカー再生の解放に比して「密」となる。音が迫ってくる印象。これは密閉型ヘッドホン・カナル型イヤホンならではの表現といって良く、「音に没入」出来るという書き方できる。
・Open The World
・つ.ぼ.み~Future Flower~/花咲つぼみ(水樹奈々)
キャラソン行ってみよう。と言っても、歌声よく知られた方で奈々しゃん。
こっちはシャリーンが良く効く。煌びやかな彼女の声を更に華やかにする。このキラキラ感は「高いイヤホン買ったな」という実感を与えてくれる事だろう。なお若干付帯音を感じるがこれはエージング(使い込んで機械的構造の動作が滑らかになること)進めばかなり落ち着く。なお奈々愛好の騎士達よ奈々聞くならベーシックな物で良い、ムリしてでもスタックスのシステム1セット持っておけ。涅槃の境地という奴を知る事が出来る。
・5minutes
・愛の力/キュアエース(釘宮理恵)
プリソンにはベースが支配しメタルの要素を匂わす重厚さが持ち味の「キュアメタル」と呼ばれるサブカテゴリが存在する。
これはドはまりだ。ベースが吠え、ドラムスが文字通りビシッと決まる。ビシッと決まるというのは瞬時に立ち上がりピタリと止まると言うこと。ヒジョーに格好良い。なおこれ盛り上がると音量上げたくなるのだが、A1は上げたなりに崩れず付いてくる「アンプでパワーぶち込む」という感覚を覚えてくれれば嬉しい。
●Jpopハイレゾリューション
・音色七色/元ちとせ(スーパーオーディオCD)
SACD初期の楽曲。実験的に録ってみた色合いが強い。
クリアネスと伸びやかさに「ハイレゾリューション」の世界を垣間見ることが出来る。無いと思っていて実は存在していた見えない壁の存在に気付くことが出来る。ただ悲しいかなそこまで。A1はあくまでヴォーカル帯を中心に高低に密な領域を備え、高低に弱い機材を補うような作りであることがわかる。
・音楽/kalafina(96kHz/24bit)
そういう曲名。ジャンルはアニメとされているがアニソンから始まったプロジェクトと言うだけなので気にするな。
さてこれ壮大な楽曲で荷が勝ちすぎるかと思ったらそうでも無かった。その「ビシッと決まる」のが非常に効果を発揮し、この激しい風のような楽曲を破綻せず耳から押し込んでくれる。これだけ鳴りゃ気持ちいいだろ。下がカブると言えばカブるのだが、圧倒されてナンボなのであまり気にならない。
●まとめ
「え?もう?」
普通、音楽聴き始めってアニソンかJpopじゃね?でもって現行流れてるJpopで歌唱と音質が揃って質が高いってのねーんだよ。特にハイレゾは。
①正直低域高域アゲアゲである。ただかなりパワー突っ込んでも付いてくることと、フォーカスはあくまでもヴォーカル域なので下品ではなく迫力ある音で再生する。
②エージングで①特徴はかなりこなれてくると考える。焼き切れるまで聞き込んで、どうぞ「鳴りっぷり」という奴を楽しんで欲しい
③ヴォーカル得意。ハイスピードの楽曲得意。元気の良い曲元気よく鳴らす。
1万円。持ち歩く道具と見れば大きな投資である。でも一つ位、「使い倒す贅沢品」持っていていいじゃないのさ。気取らず気楽にあなたの好きな音楽を。
なお、耳穴に突っ込むゴム部品「イヤーピース」が、固定性、密着性、遮音性、音響特性に大きな影響を及ぼすので、製品付属の各種ピースを付け替えして追い込む作業を忘れずに。ちなみに「付属品ではどうしても合わない」場合はカタログやwebに載ってない特殊なサイズも実はあるのでソニーや購入先に相談してみると良い。
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