「嘘」と「豪」~オレ的2014年総括~
「嘘」はさんざん話題に(ネタに)なったし振り返る意味はないのでさておく。
「豪」は言わずもがな豪雪豪雨である。まず2月の豪雪だが、いつぞや山梨へ出張に行った際は近場の人が埋もれて死んだ旨の話も聞いた。あれは文字通り極端・異常で、家屋や道路、応じたインフラがあらかじめ備わっていないとどうにもならん。予報が的確なら避難も出来ようが、に、しても大空間を暖房する準備が必要だ。万が一を越える万万が一のためにどれだけの費用を投じるか、津波のように「だからこそ100年規模で大きな計画を立てても良い」とは違うだろう。ちょっとすぐには答えが見えない。
豪雨の方は振り方の局地性。局地性故の把握の遅さが際立った。南木曽の土石流、広島の土石流。
これ、名古屋市に雲がかかっているが、市の北西部が100ミリ/1時間降ったとみられる一方、気象台の雨量計は「1ミリ」なのだ。名古屋市の中だけでこうも極端に違う。
南木曽。台風はまだ上陸していなかった。
広島。雨雲の幅は10キロ程度なのでは無いか。同じく広島市中心部と安佐南ではガラッと違っていたであろう。
さて取り上げたのは双方「もう少し何とかなったんじゃないか」である。南木曽は「蛇抜け」の伝承があり、よくよく調べると今般災害で見られた前兆現象「白い雨」「匂いがする」はその伝承に書かれてあった。伝承の物言いが現在の科学的知見に基づくと何を意味するか、更新の必要性を再認識させた。
広島は地名にヒントがあった。以前の名は「八木蛇落地悪谷」…もう、「住むな」という警告に近い。なお、どっちも「蛇」があるが、蛇は土石流が黒い紐状になって高速で流れ下る有様を喩えたもので、古代伝承の「蛇」や「竜」の退治、蛇神・龍神様はそれら災害と結びつきが深い土地であることを意味する。現代においてだからって「住むな」というのは難しい。されば、応分の治水と警報システムの完備、何より「こうなったら危険」という教育周知の必要性を示唆する。ここまで細かい地域的特殊性を持っていると、気象庁や自治体の警報警告の網に掛からない。
地震・津波・気象災害は繰り返すものであるから、寺社仏閣や旧家古文書に応じた書き残しあるはずである。地誌の研究家は知る限り解放して良いと思うし、学生の自由研究として掘り起こしをしても良いだろう。表題より「嘘」を狂歌にまとめるならば「嘘をつく十重に二十重に嘘をつくその場しのぎで永久を失う」あたりになろうが、故意に地名を変えて宅地分譲も同じである。素知らぬふりで知らんぷりではなく、リスクと対処を正しく把握するのがあるべき姿である。
来る年が平穏でありますように、と、書きたいが、日本の豊穣なる恵みは気象災害と背中合わせである。待つでなく、地勢を把握し、自ら情報を取りに行き、早めの安全確保を。
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