湯水のように流れるカネと止めどなく流れる血と
ISISに関わる戦闘画面はそれ系の動画サイトで検索すると山ほど出て来る。
「有志連合」は暗視装置を使った夜襲を中心にしているようで、ヘリから対戦車機関砲でドカドカやってるのを多く見かける。狼狽して逃げ回るのを機械人体問わず機関砲で弾幕に捉える。ちなみに対人攻撃は戦闘能力を奪えば良いので、生死は問わず、上半身にを中心に狙っているようだ。時々ミサイルが落ちてくるので、レーザかトマホークによる精密誘導も併用している、というところか。ただ、一撃で戦車がパーになるようなのを人間に使っているので、エネルギ効率は悪いと書ける。要は相手の戦闘能力奪うに際するコストパフォーマンスが悪い。
一方の連中はというと、時々AK47を五月雨式に宙に放つか、携帯ミサイルを闇雲に打ち上げる程度。AKの弾丸当たったところでヘリは傷も付かないし、ミサイルは砲口どこ向いてるか見えるので当たる気がしない。よしんばヘリに向いたとしても、ミサイルは初速が低い上、誘導されているわけでは無いので、エンジン着火した時点で機体を少し動かせば充分だ。ただその代わり、彼らは自ら有志連合軍へ攻め入ることはなく、「来たら応射」する側であり、死んでもお代わりは幾らでも調達できている状態。どんどん死線に送っている。命の使い捨てである。
こうなると「カネと弾丸」対「人命」の消耗戦で落としどころが無い。結果論だが小さいウチに殲滅しておくべきであった。ちなみに兵器の最前線は「いかに戦闘能力を奪うか」がテーマである。殺す必要は無い、なまじっか生きてると助ける必要が生まれる、その程度に抑えるというのである。四肢を吹き飛ばすか輸血を要する出血を起こさせるか。そうすると当たった当人と、それを助けようとする者の、少なくとも二人分の戦闘能力が奪えるだろ?その分、1発当たりのエネルギが少なくて済み、単位時間あたりの発射数、単位体積あたりの装填数が稼げるだろう?「コストパフォーマンスが高い」そういう理屈である。なに酷薄だ?戦争なんてそんなもんだ。
さて今般、そんな現場で日本人を人質に日本政府を相手に恫喝してきた。「積極的平和主義」に対する宣戦布告である。どう対処すべきだろう。
「2億ドルは人道支援だ」と首相は述べた。その通りだが彼らは野蛮人である。人質という手駒があって、有志連合側に与して動いたというだけで駒を使う動機が出来たのだ。実際の使い道などどうでも良いのである。ただ、国際社会に対してはこれで良い。
問題は具体的なアクションである。人命優先なら交渉を持ちかけてもいいだろう。ただ当然「無傷で返せ、返さないなら皆殺し」位が出発点である。無条件が基本で、切り札は出してはならない。本当は身代金を値切る位の斜め上行く剛胆さが欲しいが。
とはいえ平和国家で通っているので、裏でその筋と通じていても誰もそうは思わないという部分はある。会見を見る限りイスラエルから情報をもらっているようなので、モサドがどこかで待機しているかも知れないし、この問題ではあまり首を突っ込んでいないあの国のスホイが黒海沿岸でアフターバーナーを温めているかも知れない。日本を隠れ蓑に好きなことが出来るというのは影から支配力を行使したい陣営には持ってこいの機会だからだ。
「我が国は国土領海に核ミサイルは持っていないと国際社会には認知されているがね」
位ハッタリかませりゃいいんだけどね。
彼らは身代金をシノギにしていて、スペインなどそれで解決した事例もあるとか言うが、個人的には身代金解決はよろしくないと見ている。日本国内に既に手先が侵入していたらどうする?女子供パクるのわけないだろう。だからこれは宣戦布告なんだって。この事態を招いてしまったところで「平和解決」は手詰まりなのだ。脳みそお花畑で戦闘に参加したいとかジャーナリズム()で現地にのこのこ入っていった罪は重い。
戦役全体を視野に入れるなら、解放しろ世界が敵対するぞ程度にとどめ、見殺しにするというのも戦略の一種である。幾ら殺しても応じた反応が出てこず、夜襲を受けるだけなら「コストパフォーマンスが悪い」からである。
どちらにせよ、相手は自分が正義な手合いなので、殺す気で行くか、逆に薄情を貫くか、どっちかが答えになる。卑劣な恫喝をする奴らが約束通り行動する保証が何処にある。使える手を皆使ってくるなら、こっちも使える手は皆使い、表向きはカモフラージュして平和の体面を保てば良い。
超法規的処置、だけはやるなよ?全体の流れを変えてしまう。薄情な物言いだが仕方がない。2人の処置で与し易しと見られると1億2千万が危険にさらされる。島国だから安全だ、はジェット機飛び交う現代においては油断に他ならない。
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