水星を見る~伝令神メルクリウスとの邂逅~
マーキュリー
もとい。
マーキュリー(Mercury)・水星である。二つ写っているが小さい方。大きい方は金星である。
太陽│水金地火木土天海(冥)
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太陽系第1惑星。が、太陽に最も近い=太陽を追ってすぐ沈む。上ってきてもすぐに太陽も昇る。となり、なかなか良い条件で見ることが出来ない。見えるにしても地平線・水平線に近いので、とりわけ都会では建物や街明かりに邪魔されて尚見づらい。
写真掲げてブログまで立ち上げたのはそうした希少性の故である。何と星見歴35年にしてこれが初めて生で見た水星である。しかも大都会名古屋()で写真まで撮れるとは思わなんだ。ちなみに地動説への言及で知られるコペルニクスも終生水星だけは見ることが出来なかったという。現在、水星の位置、明るさ、そして日本における日の入り後の明るさの変化、更に金星のすぐソバで目印になるという様々な好条件が重なり、見やすく・見つけやすくなっており、ようやく見られた、という次第である。
さてこの水星、ギリシャ神話では伝令神ヘルメスとして知られる。その特徴は「足の速さ」そして「夜明け前に生まれた」。このことは水星の見え方や挙動を良く反映している。見えたと思ったら沈む。昇ってきたと思ったら太陽に隠される。のみならず、公転周期が88日、すなわち、夕空に見えていたのが1ヶ月ちょっとで朝空に、また夕空に、と「ちょこまか」動く。惑星が星座の間を移動することは知られていたが、この変化の速さは当然傑出している。特徴が反映されのは当然の帰結と言えるか。しかしそんな神話を作り出した昔の人々の想像力がうらやましい。
NASAの探査機「メッセンジャー」(≠阪神)が捉えた水星表面。クレーターだらけのごつごつ。温度は陽が当たるところは430℃、日陰は-180℃。技術は何でもかんでも露わにしすぎかね。
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