趣味の王様・在位33年
鉄道模型は「趣味の王様」と言われる。
その高尚な理由……があるわけではない。
・時間を食う
・場所を食う
・金を食う
そして何の役にも立たない。一切の実用性がない、ということで「趣味性」を極めている。「王様」なのである。ただ、応じてその中毒性極めて高く、素質(鉄属性)ある人が子どもの頃に出会えば一生ものの趣味となる。「いい年して電車のオモチャ?」電気と機械の知識を持って全部自分でメンテするヤツな
懐かしいカボチャ配色の電車。トミックス(タカラトミーの趣味商品部門、トミーテックの鉄道模型ブランド)、モハ112。1982年。動力装置内蔵、当時3600円。
2015年本日まで走らせていたと書いてアナタは信じるか。小学6年生の男の子は45歳のオッサンになるまで使い倒したのである。まだ動くが、補修用パーツが手に入らないのと、現下同型の最新製品が絶賛発売中であり、今を外すと次回生産までの間に壊れた時に対処のしようがないということで運用廃止とした。33年。何キロメートル走っただろう。車輪は一度交換したが、モータは当時のまま。
ねじ止め構造が時代を物語る。ニッケルめっきがはげている。ピカピカの頃オレは高校生で、大学に通い就職し、家庭を持った。その間数年、運転しない期間もあったが、基本編成であり続けた。仮に編成に番号を振るなら1番が文句なくこいつの編成だ。父親にクリスマスプレゼントに買ってもらった4両編成。買い足して実物の東京口と同じグリーン車付き11両をぶら下げて部屋を回った。いわば「王の中の王」である。
後継が揃い、その活動を了とする。24時を持って君は退位した。ご苦労であった。
« ネパールの地震について | トップページ | 春の生き物二題 »
コメント