ネパールの地震について
●概要
規模と建築物の態様に照らして、1891年濃尾地震(M8.0・犠牲7273)に近い様相が想定される。短期間に大規模な救助活動が望まれるが、機材を持ち込むのが困難であろう。時間との闘いである。
(倒壊した尾張紡績工場・長崎大学付属図書館データベースより)
●メカニズム
(CNNより)
エベレストをはじめとするヒマラヤ山系が元は海だったのは知られるところである。インド亜大陸のユーラシア衝突に伴い、間にあった海が潰され、押し上げられて出来たのがヒマラヤである。ヒマラヤ造山運動という。
それは伊豆半島=フィリピン海プレートの衝突に伴う南海トラフ・関東大地震と類似の仕組みと理解される。インド亜大陸に押される力に屈してずれ動く。インドが潜り、ユーラシアが上がる。今回もそれと判断される。
(同)
この地域は定期的に大きな地震を起こし、理科年表をはぐると1934年M8.3。1833年M8.0などが出て来る。この絵はチト見にくいが、オレンジの★が本震震源、イエローの★が余震震源、グレーの部分が地震波から逆算した震動が大きかったと見られる地域を示す。白い□がカトマンズで、揺れの大きな地域に含まれていることが判る。
(メルカリ震度階級Ⅵ=気象庁震度4…でももっとあるだろ。その解析は甘いよCNNさん)
震源との距離80キロ離れている(深さ15キロ)が、
インド亜大陸沈み込みから判るように、破壊震動は亜大陸のプレートに沿って伝わり、そこにカトマンズがあったと判る。また、
カトマンズ周辺は盆地になっていることが判る。これは太古ここが湖であった名残である。北と南が高くなり、窪地のここに水が溜まり、6000年前、地震活動で水路が出来て水が抜けた(ソースの例)。
「水の溜まっていた場所」…そういう場所は地震の加振力の前には液体同然である。つまり、揺れが大きくなる。東北地方太平洋沖地震の震度分布を示す。濃尾平野がぽつんと離れて震度4なのは、ここが太古沼沢地だったからを故とする。ちなみに「ゆーらゆらと揺れてた」(当時工場勤務者談)。
以上より、今回の地震は継続するヒマラヤ造山運動の一環をなし、カトマンズは震源からの振動伝搬、地勢両側面から振動が大きくなったものと推察される。
●被害の予想
・人口145万。貧困層が多く、住居は密集し、耐震性に乏しい
・仏教遺構を中心にレンガ建造物が多い
それは明治期の日本に等しい。だから濃尾地震と類似の状況になると見られる。なお、濃尾地震をその証明として、このクラスの直下型は今後も日本で起こりうる。単なる悪条件の重なった異国の出来事と軽視する事なかれ。
何より悔しいのは周期性を持つ大地震であり、前回1934年と(比較的)近年の発生にもかかわらず、応じた対処・知識伝承・情報拡散がされなかったことだ。
皆さんの出来ることを出来る範囲で。
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