池田彩コラボレーション・ミニアルバム "featuring X"ガチ聞き
●プロフィール
「プリキュア」のOP/ED歌唱で知られるアイドルシンガー(本人談)池田彩。彼女のユニオンミュージック発4枚目のアルバム。6曲入りのミニアルバムで、各曲ごとに1人ずつゲストヴォーカルをフィーチャー。「X」氏6名コラボ6曲で構成される。面白い試みだと思うし、彩ファンもフィーチャリングボーカル側のファンにも変化球で楽しめる。ユニオン円盤の音作りも大体分かったので、満を持して(?)ガチ聞きシリーズ池田彩見参!である。
●楽曲傾向
「寝た子も起きるような歌い方を目指しました」
(「スマイルプリキュア」OP歌唱に当たっての心構えについてインタビュー記事より)
に、代表されるように、パワフルな歌唱が持ち味。これを存分に活かしたノリノリの楽曲アソートで、仕事に行く前に聞くとか、ライフハックに好適。楽しいことこの上なく、例えばドライブのお供にもピッタリ。リリックはひたすらポジティブで「絶対に振り向かない!」みたいな強い意志がうかがえる。なお作詞は全て本人で、これは彼女の円盤では初の試み。良い仕上がりだと思う。
●音の傾向
ヴォーカルにフォーカスしたアルバム相応、ヴォーカルが大きく前に出た音になっている。スピーカから鳴らすと2本の真ん中にドンと定位し、二人の声が代わる代わる、そして重なって朗々と歌う。バックトラックとのバランスは比重ヴォーカルと言え、再生機器を選ばずボーカル楽しめる、と書ける。とりわけイヤホン、ヘッドホンリスニングの場合、頭の中で二人がコラボする。意識したのだろう、「声が満ちる」を感じられる。ただ、所々ヴォーカルトラック、およびドラムス、ベースにコンプレッサの発動を感ずる。そしてこのような音作りは機器のグレード上げたなりの新たな発見に乏しい場合が多いが、この板の場合、手を伸ばせば届く場所で音が飛び回るという経験できる。「スイートプリキュア」で音符形の妖精が飛び回るのだが、そのイメージの音像化、と言える。左右のスピーカ間隔大きく取れるのであれば、2等辺三角形の頂点で、少し大きめの音で、ドライブしてやると良い。きらめき弾ける音が聞こえる。
あと、現行ユニオン版彼女の円盤で大きな特徴と言えるのが「立ち上がりの柔らかさ」である。オーディオされる向きには「刺さる」という物言い意味分かると思うが、その不快が絶対あり得ない、と書ける方向の音作りがされている。これも再生機器を選ばず、の効能に繋がるが、逆にそこに物足りなさ、今一段の突き抜け感を要求する向きもあるかも知れない。池田彩を激しく鳴らしたい、応じた録音があっても良いだろう。
●総括
てなことをスピーカからの距離を正確に計って、などという聴き方をするのは恐らくヤボで、ガンガン鳴らして乗りに乗ってこーぜー!が多分「正しい使い方」なのであろう。ちなみにヴォーカル勢はプリキュア、或いはその前の時間のヒーロー番組の歌唱で知られる方々なので、例えばお子様に「あの番組の歌の人だよ」と水を向けて、音楽への新たな親しみへの第一歩、とするやり方アリだと思う。「いつも一番よく使うキカイ」に放り込んでガンガン聞こう。
■テクニカル
・CD:アキュフェーズDP-65
・アンプ:ヤマハDSP-Z11
・スピーカ:ヤマハNS-F500
・ヘッドホン:スタックスSRM-323S+SR-404
・包絡線
「客観性が無ぇ」とか言われることあるので付ける。
ドン!と立ち上がり、ハイレベルで突っ走り、スカッ!と終わる。
・スペクトル
f特を見るため88/16にリサンプリングしている。22k以上の横一線はナイキスト則に従う演算ノイズである。CD16ビットの理論限界SN比(96dB)に対し、90dB以下に収まっている。22kでスパンと切れているので、余裕を持ってデジタル化の後、CD用に44/16に演算処理していると判ぜられる。
20-22K付近に盛り上がりがあるが、CDフォーマットは高域に行くに従い位相情報が欠落するので「デジタル臭い」音に繋がる、これが故意ならある種バイアスの効能を持ち、高域の音密度を上げる効果を有する。もちろん、ステップ状の立ち上がりにも入り込み、オーバーシュートの低減に寄与する。
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