大地深奥682キロより
5月30日午後8時23分。
マグニチュード・最大震度・名古屋の推定震度よりor条件で反応する緊急地震速報3システム全部立ち上がった。
大地震ではないか。にしては、ころころ変わるマグニチュード推定値、震度の広がり、何かおかしい。すると研究者向けのシステムが
こんな数値を吐き出した。深発の巨大地震である。なお、こういう深い地震の場合、テレビや携帯の緊急地震速報は出ない。震度予測が難しいからである。最も、だからこそ警戒を呼びかける必要性はあると思うが。(これは後刻出された気象庁の広報資料。リアルタイムで出た数値はあっという間に消えてしまい、キャプチャ出来なかった)。
さてこの辺の深発地震で大きく揺れるのは実は関東である。
覚えておいでだろうか。2012年元日。鳥島沖深さ370キロM7.0。ゆーらゆーらと関東揺れた。
類例である。ツイッターにガンガン書く。関東揺れるぜ。
震度5越えたか。
不気味にゆらゆら長時間揺れたはずである。お疲れ様でした。以上、単なる事実。このブログの仕事はここから先。
●メカニズム
(Newton紙面より)
(気象庁広報資料より)
ここでいう「海洋プレート」は太平洋プレート。真上が小笠原。「異常震域」と書いてあるエリアが関東と考えて欲しい。太平洋プレートは関東沖から潜り込み始め、小笠原地下でマントルに達して溶けている。その溶けるか溶けないかのところでブチッとちぎれたか、ひびが入ったか、が今回の地震である。プレート自体は関東のそばまで来ているので、そこ伝わって関東での揺れが大きくなった。この際、振動は周波数の低いもの(ゆらゆら系)の方が遠くまで伝わるので、ゆらゆらした振動が長く続いた。
一方、震源が深いため、日本列島自体が乗っている2枚のプレート(北米・ユーラシア)も地下から丸ごと揺すられた。この結果が「全ての都道府県」での地震動をもたらした(韓国でも揺れたようだが、日本の報道ばかりだったとか。アホか)。
ちなみに深発でM8級というのは非常に稀で。この記事見る前に引っかかって見た方もあるでしょう、2013年オホーツク海M8.2というのがある。この地震では日本の北半分で有感になったのをはじめ、モスクワ、そして中東のドバイでも揺れを感じたという。
(デカい●の方。ドバイで感じたのはPPSとかマントル内の伝搬メカニズムによる)
ちなみにこの「オホーツク海M8.2」は、この時点深発として観測史上最大のM値だったそうだが、5/30小笠原はこのままならこの記録を更新することになる。
(震源につき、深さ682キロ・M8.1に修正されたので見え消し:5/31)
●余震および今後
余震の有無は研究者によって見方が分かれるようだ。上記オホーツクでは余震があった。
(リスト1番。気象庁データベースより)
深発は余震が少ないというが、M8越えはあまりに大きく、あってもおかしくはないだろう。人類は深発に関する科学的知見があまりに乏しい。
(あるにはあったらしい。有感にならず。5/31修正)
そして。
太平洋プレートは3.11…東北地方太平洋沖地震を起こした張本人である。同地震は北アメリカプレートを引きずり込もうとし、北アメリカプレートがそのストレスに耐えきれず動いたものだ。この結果、実は太平洋プレートは北アメリカプレートに寄りかかっていた部分もあったのが、これが取り払われた(肩すかしを食った)ため、次の二つの大きなストレスがかかっている。
①太平洋プレートの質量が沈み込んだ先っぽにかかっている
②沈み込んでいる部分の質量が、沈み込みが始まる部分を引っ張っている
①のストレスは先っぽ、すなわち深いところでプレートの破壊となって現れる。オホーツク海M8.2や今回M8.1はこれと見られる。
②は浅いところでプレートを破壊する。昭和三陸地震(1933/M8.1)がその類例である。ちなみに昭和三陸の時は、まだ観測機器と知識に乏しいレベルではあるが、
(1933年三陸沖地震の地殻変動 国土地理院 藤井陽一郎 1977)
(藤井の文中で引用元「MOGI7」としてある茂木氏の論文。英語で有料なのでアブストラクトを機械翻訳。エビデンスとして付けておく)
鉄棒にぶら下がっていて、足にも鉄棒持つ手にもストレスがかかっている。その状況で足首が折れてしまった。手首はどこまで耐える?
M9もの巨大地震でアウターライズに余震がないわけがないのだ。そしてそれは大きく、津波を伴う。「3.11の遙か東方、太平洋プレートの沈み込み帯」に非常に大きなストレスが加わっていることをご承知置き願いたい。それは遠いため地震動はさほどでないが、プレートがちぎれるために津波だけは非常に大きな物となる。
大地深奥682キロの教えるところは、遙か東方200キロに迫る可能性。
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