ニュースは不快なモノばかり。なので
宇宙へ行こう。銀河系外5400万光年おとめ座銀河M87。
(引用元)
「そういや図鑑で見たような」という人には「鮮度」の違いに驚かれたのではあるまいか。周囲に小さく他の銀河が写っているが、主役はあくまで真ん中の耳かきの毛玉である。直径12万光年の光の集団。
ハッブルで撮るとこうなる。真ん中から何か出ているが、これは激しくエネルギを発する活動主体が中心にあり、高温高速のジェットと化したガスと見られる。ジェットの見えている長さは5000光年ある。
なお、よく間違えられるウルトラマンの故郷はM78で、そちらは星間物質が光を反射しているだけで、生命体が住めるような「物体」ではない。すると共通「M」というカテゴライズは何なのだということになるが、これはシャルル・メシエ(Charles Messier:1730-1817)が、彗星探索に邪魔な(彗星と間違いやすい)微光天体をまとめたカタログに由来するもので、追って別々の存在と判る銀河や球状星団、光って見えるガス雲などひとくくりにされている。逆に言うと彼が使ったような小望遠鏡でも見つけやすい天体と言え、扱いやすさから今でも使われている。
戻る。M87は小さな銀河を沢山飲み込んで巨大化したという説が昔からあったが、このほどその証拠が見つかった。ハロ(耳かきの綿毛最も外側に相当する部分)に別の渦巻き銀河由来と見られる惑星状星雲(死にかけた星が飛び散って行く状態)を多数見つけたのだ。
曰く近づく動きをするものと、遠ざかる動きをするものがあるといい、運動から逆算すると、数十億年前は中規模の渦巻き銀河に属し、それは盛んに星を形成していただろうという。
ちなみに、我々の天の川銀河は、アンドロメダなどと共に「局部銀河群」を構成し、局部銀河群は、他の銀河群・銀河団(銀河群が村なら銀河団は町。英語でcluster。ネット民みんな大好きクラスタの語源はここから)と共に、「おとめ座超銀河団」(Virgo Supercluster)を構成する。何のことはない、この遙かなる巨大銀河は我々の銀河と重力的に結びついているのだ。それは2億光年に渡って広がる銀河大集団の重力的中心をなし、30億太陽質量のブラックホールから射程5000光年のジェット砲をぶっ放しているのである。
(Local~が局部銀河群。作図の便宜上座標の原点に置いてある。Virgo~がおとめ座銀河団。全体でおとめ座超銀河団。Virgo Supercluster。英語表記も含めて字面と響きがいいよねスーパクラスタ)
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