ニシもヒガシも
まず書いておく「ばかもん」。ったく、事故調の結果が出てからネチネチ書いてやろうと思ったらこのざまさね。
●西の場合
「複数のネジを、一度に締める」場合を考える。パーツ同士に多少の出来映えの違いがあるので、1個ずつ締めて行くと最後の1本はそもそもねじ穴同士食い違う。なんてことが良くある。そこでユルガバでもいいのでとりあえずネジを穴に通し、後からまとめて締める。こういう行為を良くやる。「仮締め」という。もちろんそれはそれで締め忘れがあるので、終わった後の目視確認は当然のこと、最近はドライバー側に所定の締結力まで加えたかどうか確認するセンサ、そのセンサの反応を数えるカウンタがついており、「確実に締めた回数」が判るようになっている。まぁ西の会見動画見る限り、ねじ穴はしっかりしていてねじも締まるので、締め忘れの点検忘れであろう。「だろう作業」をしてるとこうなる。
●東の場合
まずこの写真をご覧いただこう。
15年7月現在の東北新幹線某駅である。こういう、コンクリ板(slab)を並べて線路を載せている線路敷きをスラブ軌道という。別に軌道マニアじゃないが、撮ってあったのは気になったからである。
スラブ1枚切り抜いた。締結装置、レールとスラブの間の階段状のパーツ、そういった部分で細かいズレを調整して使う。なお、スラブの下にゴム板入っているが、これは振動と騒音低減である。ここに写っているどれかが外れたか、固定し忘れですっ飛んだのであろう。
なのだが、まぁ「なんだかぼろっちい」ことが見てお分かりいただけよう。この区間開通は1982年。幾星霜がゴムシートにはみ出している。
「はやぶさ」に代表される東日本系の新幹線電車が、アクティブサスペンションを装備しているのをご存じの方は多いと思うが、その理由は高速化の一助、では実はない。軌道がぼろくて振動がデカいからである。そして、あまり軌道をなぶっていないことは締結装置のねじと板が同じ色で錆びていることからも推測される。締まっているように見えたねじが実はごっそり腐っていて、触ったら首からもげ落ちました。良くある。まぁ、敷き直す時期じゃねえの?
一般に現場の合理化は「3K」の部分から行う場合が多い。その場合、同じことの繰り返し、みたいな最もキツいことをキカイに、しかし厳密にやらせ、結果を人の目で確認する、というパターンを取る。ねじ締めトルクとその回数はキカイに測らせ、人は結果を見る。典型である。逆に言うとキカイが幾ら精密でも、結果に対しアクションしなければ何の意味も無い。そして人はそう、同じ作業を繰り返しているうちに、注意力も、その目的も、散漫になる。
新幹線の軌道補正なんざ、それを繰り返して積み重ねた実験解そのものであり、努力の賜物だ。ねじ締めにも同様な儀式化された原則が存在するはずである。経緯を再度確認し、「なぜ」および「守られないとどうなるか」再度確認すべきであろう。
今日も一日ゼロ災ヨシm9(・∀・)
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