もう少し感性を信じろ。そして磨け
「ヒューマンエラー」を経験した経営者はそれを無くそうという努力を始める。行き着く先はマニュアル化と自動化である。するとマニュアルに書いてないところの見落としと、センサの付いてないところの事故が発生する。「いい」と「わるい」が身体に備わってないので、判断・気づきの能力が下がるのである。そしてこれが「ハインリッヒの法則」に言う「300のヒヤリ・ハッと」への無視に繋がる。
・合理化
・事故多発←JRイマココ
・ヒヤリハットを各自1件ずつ出しなさい←世間一般の現場イマココ
ではあるまいか。ただ、ここで注意すべきは必ずヒヤリハット→インシデント→重大事故という経過を踏む、という意味ではないことだ。確率の話なので、1/300は最初から死ぬ、とかあり得る。すると「ヒヤリ・ハットだった」と感じさせる素養がまず必要、こうなる。すなわち「音」「色や見栄え」「におい」こうした官能性と善し悪しを結びつける根本的な部分が必要になる。現下、欠けていないか。
「アニソン関係ないやん」
いやいや。実はそういう「感性無視」が最も跳梁跋扈している世界の一つがオーディオである。96/32。立派なスペックだがオーディオ的な「良さ」は別の話である。広がり、奥行き、繊細さ…オーディオソースとしてふくよかであるか。そも己の耳で悦や楽を感じ取っているか。ハードウェア然り。高い機械ならいい音か。ある程度正しいが正解ではあるまい。
天気もそう。レーダも「ひまわり」も間隔・解像度向上が図られておるが、そも「降るかも知れない」という感性は働いているか。「降るなんて聞いてないよ~」ツイッターでよく見かける。いや、雲の近づいてくる、沸いて広がる様は感ぜられると思うが。「この地域であっちから雲が来るのはヤバイ」…この位まで落とし込めていれば「観天望気」と威張ってイイ。
「ハンマーで叩いて音で善し悪しを知る」…官能検査の代表である。だがこれは結合の緩みや破損は「機械的インピーダンス」を持つ、ということで説明出来る。破損無し=インピーダンスが無限大だから、ハンマリングの投入エネルギが自由振動の音に変換され「良い音」になる。インピーダンスを持つとそこでエネルギが消費され、振動が分割され、鈍い音、割れた感じの音になる。何でも数値や波形に取り出せる時代だ。こういう旧知を理で説明し、逆に感性に反映させて「だからこれで善し悪しの予兆を読み取れ」こうじゃないのか。
感じ、信じ、その理を知れ。
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