桜島~スーパーボルケーノ~
桜島はカルデラの真ん中に顔を出した巨大火山のてっぺんである。
(ソース)
「姶良カルデラ」3つの複合火山と言われ、2万9千年前に大噴火(姶良噴火)を起こした。教科書に出て来る「シラス台地」はこいつの流した火砕流である。あまりに爆発力が強いので山体が形成されず「穴だけ」の姿の時代が長い。姶良火山灰は関東ですら10センチ積もり、遥かアムール河畔で堆積が観測されている。
(Wiki)
「山体」が形成されていることから、こういう、地質時代のような活発な活動はしなくなった、と言われている。ただ、こいつのマグマの供給源はフィリピン海プレートの沈み込みである。それは今も連綿と続いている。
(ソース1枚目と同じ)
一度だけ新幹線開通後鹿児島まで行ったが、ホームが黒く、日常的にドカンドカンしているようだった。それが突如「鳴りを潜め」山体が膨らんで時々地震を起こしている、それが現在の「レベル4」である。
出口がふさがっていると、その閉塞能力を超えた瞬間、圧を高めていた因子が全て吹き出す。昭和61年噴火や、その前の昭和30年噴火の規模は考えられようし、今回の変化はそれらと毛色が異なるという話もあり、なれば大量の溶岩を噴出し、「島」から「地続き」に変化することになった大正噴火・地震(大正3年1月12日・推定マグニチュード7.1)をワーストケースとして考慮しておく必要もあるだろう。なお、大正噴火は半年前の地震活動から始まり、海水温の上昇、2ヶ月前の地温上昇(冬なのに冬眠しているはずの動物が活動していたという)、前日には湧水が目撃される、という経過を経て、1月12日、噴火に至っている。本日時点で「レベル4」引き上げ後4日を経過したが、このようにスパンの長い現象となる可能性もあるので、各自治体に記録されているであろう過去の経緯をよく調べ、充分な準備、避難が必要と考えられる。
「よそ者は黙ってろ」確かに。ただ、M9の地震で揺られて火山噴火を起こさなかった事例を人類は未だ知らない。なお、前回三陸巨大地震(貞観地震・869年)の時期は、触れた記録書が見つかっておらず不明と言われるが、708年には噴火活動、930年には「島」の存在が確認されており、むしろ海底火山から山体・島を形成する活発な活動期だったと解釈すべきであろう。
日常的に噴火しているからこそ、その範囲内で考えてしまいがちで、怖い、のである。
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