鉄道の日2015
「最近汽車旅がつまらない」
お思いの方は多いであろう。それは勘違いでも何でもない。
娘は新幹線の移動がキライである「することがないから」。ところが千葉に居た頃「113系」なる国鉄の電車をわざわざ選び、その鈍行で銚子まで行った。
(もう走っていません)
窓を開けたら「え?窓開くの?」
風に吹かれてガタンゴトン「おもしろ~い」
ノスタルジーでも何でもない。今の電車はフル空調で窓は開かず、レールの継ぎ目も溶接されている。空調と走行音がゴーといい、窓を景色が流れて行くだけ。「感じる」ものが希薄。
でも、在来線はまだいい。
福島-米沢間「板谷峠」である。くねった線路、それ以上につづら折りの道路によって、ここが峠であると如実。応じた車窓の展開となる。
「山形新幹線」の一部であるが、実態は奥羽本線の線路幅を広げただけ。フルサイズの新幹線であれば、トンネルでぶち抜く。
九州新幹線・出水-川内間。鹿児島本線は海岸沿いをくねり走り、風光明媚でしかし速度は出なかったが、新幹線は一顧だにせず山間を最短ショートカット。こうして空気を感じず、音も聞こえず、見るものもなくなった。娘の言う「することがない」の正体である。
また、インターネットへの常時接続で、移動中に仕事が出来るようになったというのも大きい。よく、このテのサービス低下は、食堂車が弁当がという話になりがちだが、「出張のささやかな楽しみ」を仕事に奪われ、更にそういうサービスを利用しなくなった(できなくなった)側面もあるだろう。以下水は低きに、となり、移動出来れば良い、出来るだけ速く。しからば、リニア歓迎は当然であろう。列車感覚で乗れる航空機だ。会議の資料に目を通していれば名古屋。
合理化の果て、人体を輸送する往復銀箱。鉄道よ、それでいいのか?
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