中学生でも分かる「ハイレゾで音楽聞こうぜ」:後編・データを音楽に戻す
4.ハイレゾ音源の種類
現在、ハイレゾ音源として販売されており、誰でも入手可能なものは以下の3種類である。
①スーパーオーディオCD(SACD)
名の通り「CD」をハイレゾ化したもの。1999年の登場。
長所:対応機器であれば、普通のCDと同じように操作でき、簡単。
短所:専用の再生機器が必要。また、ハイレゾデータをポータブル機にコピーするなどできない
そう、実は20世紀のうちに「ハイレゾ」自体は始まっていたのである。が、専用の機械を備えたオーディオ装置が必要であったこと、コピー出来ないこと、「超音波聞こえないのに再生出来てどうする」という誤解もあり、出だしでコケたw。現在は③番目のダウンロード型のハイレゾの普及に伴い見直され、「CDプレーヤ買い換えるからSACD対応にしとこうか」というマニアなおっさんが中心に買っている。ただ、そうした経緯から新譜はクラシックやジャズが殆どであるうえ、街中のCD屋には殆ど置いていない。
②ブルーレイオーディオ
ビデオディスクとして知られる「ブルーレイ」にハイレゾオーディオ信号だけ詰めたもの。
(テレビに映すとこうなる。「映像」としてはこのメニュー画面しか入っていない)
長所:ブルーレイレコーダ/プレーヤがあれば音を聞くことが出来る
短所:これ自体存在を知られておらず以下SACDと状況は一緒。
「音しか入ってないブルーレイ」なんて知らないでしょ。ただブルーレイは録画機がすでにかなり普及しているので、それで再生出来るのは強み。とはいえオーディオ機器につながないと実力を発揮出来ないことではSACDと変わらないうえ、音楽市場が「円盤不要」に動いている今後、タイトルが増えるかどうかは未知数。ただ、アナタの家にブルーレイの機械が何らかあるなら、それだけでハイレゾ再生は「円盤買うだけ」なのは覚えていて良いと思う。
③ファイルダウンロード
現在ただ単に「ハイレゾ」と言った場合コレを指す。配信サイトからダウンロードしてパソコンやスマホ、ポータブル機などで再生する。
長所:パソコンかスマホがあればすぐ始められる。単曲買いもでき、経済的負担が少ない
短所:オーディオ機器に接続するにはパソコン関係の知識が不可欠
アナタがコレを見ているキカイでポチれば良い。基本的にコピーが可能なので、お持ちのオーディオ機器や、聴き方に合わせて再生出来る。ただ、ポータブル機(ウォークマンなど)は対応機を買うか、ハイレゾ再生用アプリとキカイを追加するなど出費と知識が必要になる。
(iPhoneやiPodなどでハイレゾを再生するのに必要なキカイと配線の例。このほかに再生用アプリが必要)
「キカイと知識(主にパソコン関係の)」が必要になる。ダウンロードで聞くだけなら出来るが、「目的にマッチした」聞き方をしようとしたら、突如お金とキカイが必要になる。これがまぁ、普及の妨げ。「誰でも」聞けるが「好きなように」とした瞬間、一気に難しくなるのである。
5.ハイレゾ音源を聞くには
図解するとこう。
まぁ、①②はジャズやクラシックが中心。そして円盤商売。今後を考えると円盤にこだわる必要は無くて、③をどうするか、になる。Aはスマホ、Bは対応ポータブルプレーヤ…簡単に買えるのはソニーウォークマン2万5千円くらいから。Cは「USB-DAコンバータ」というキカイ。前編で出したキカイや後編でiPhoneにつないでいたのがそれ。やはり2万5千円くらいから。見ての通り「パソコンとオーディオの中継ぎ」を行うにはこれが欲しいことが分かる。もちろんパソコンのイヤホン出力からでも音は聞こえる。だがそれ、オーディオのクオリティ備えてない。だから、「USB-DAコンバータ」どうしても欲しい、となる。
(USB-DAコンバータによるハイレゾ音源再生(ドヤァ))
問題はこのDAコンバータ。パソコンに挿すだけじゃダメで「ドライバソフトウェア」という奴をパソコンに読み込ませて、という作業がどうしても必要になってくる。
(iPhoneに繋いでいたキカイのソフトウェアを呼び出してみた画面。英語)
ウォークマンが手っ取り早いか。そのまま聞けるし、ウォークマンからオーディオに繋ぐことも出来るしね。
(ウォークマンをオーディオに繋いだの図)
●まとめ
ハイレゾ対応ウォークマン買っておけばOK(おい)
されど「パソコンにドライバソフトウェアを入れる」という作業すら排除するとこうなってしまう。スマホは再生装置としては不完全だし、パソコンでは「とりあえず音が出るだけ」だ。
ハイレゾは「オーディオって音がいいなぁ」クオリティの装置じゃないと意味が無い。となれば、ダウンロードした楽曲をウォークマンにコピーして聴く。これが簡単で誰でも出来て、音質の良さを味わえる最低限、となる。オーディオ機器を使ってスピーカで再生…への対応は後でも良い。ただ、聞いてる側からすると、ウォークマンでストップとせず、オーディオ再生まで進んで欲しい。ハイレゾは演奏のコピーを作る物であるから、空間に解き放って「演奏」を再現してこそ真の効果が得られる。
なお「ハイレゾロゴ」が付いてるキカイがちらほらあるが「ウォークマン」か「USB-DAコンバータ」どっちかが対応機でありさえすれば、まずはいい。オレだってイヤホンはロゴマーク付きのキカイじゃない。が、音質の違いは充分判る。
「とりあえずどんな曲かは分かる」「無料」から一歩踏み出してみないか。
おとーちゃんのボーナスに期待して、アナタのアルバイト代を貯め込んで、
手のひらのキカイから。
■発展
パソコンを使って「DSDディスク」というのを作る方法もある。ダウンロードしたハイレゾ音源のデータをDVD-Rに書き込み、対応プレーヤでCDみたいに再生するのである。データ方式上それは「SACDの自作」。DSDディスク/CD/SACDを区別なく再生出来るCDプレーヤもある。
これなら既に持っているCDもそのまま聞けるし、SACDにも対応出来るし利便性は高い。
ブルーレイ再生専用機にも同じくSACD/DSDディスクの再生が可能なものもある。
「DSDディスクを作る」それはそれでまたパソコンに関わる知識いるのだが、ネットワーク関係の知識までは要らないし、再生の方法自体はCDと変わらんので分かりやすいとは思う。
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