知識と思考
問:以下は西ヨーロッパが温暖湿潤気候である理由を説明した文章である。ア、イ、ウに当てはまる語を選べ
(ア)である(イ)海流の上を(ウ)が通っているため。
アの選択肢:暖流・寒流
イの選択肢:北大西洋・北太平洋
ウの選択肢:貿易風・偏西風
ここで必要な「知識」は
①欧州と大西洋の位置関係(大西洋の名の由来を知ればそれも不要)
②偏西風は中緯度帯を西から東へ吹く風
③貿易風は赤道付近を東から西へ吹く風
である。②③は一般にペアで覚える(成因自体は自転とコリオリ力と大気の大循環の理解が必要)。
(学研の図鑑「海」1973年)
すると暖かいものが西から東へ運ばれる必要があるから、偏西風と暖流が必須で、位置関係からして北大西洋と導かれる。が、娘さんこれが答えられなかった。言わずもがな、位置関係の理解不足である。
女の子は自らを囲繞する環境を主観的に眺めるので、客観視点で把握する地理は不得手であるかも知れぬ。だが市内・県内・国内・アジア・世界規模で「概要」は知っておいて欲しい。ここで五大陸と三大大洋、偏西風と貿易風は「地球に生きる知的生命としての」基礎知識であろう。この問題文そのものを答えとして記憶する必要はないのである。海と風が気候のエンジンであるから、位置関係から類推できれば大抵、答えられる。
なのだが。
五大陸と三大大洋、にすら壁の存在を感じる。これをどう突破したら良いのだろう。ただの暗記ではなく、理解のとっかかりとなる「知識」とするためには。
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