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2015年12月 5日 (土)

抒情の奇妙な歌会in名古屋2015 @sasashihan

●冒頭の能書き

「短歌」の世界は基本「師弟」システムと言って良いが、確立の古さ故に現代の視点では独特である。「アララギ派」とか聞いたことあると思うが、方向性同じくする歌人たちがクラスタを形成する。「結社」という。同人組織と書いても良い。ここが自前で同人誌に相当する短歌誌を発行し、選者(師範)が傘下の弟子の歌を拾ってゆく。秀作は選者の割り当てページ冒頭に紹介され、更に秀でたものは短歌誌の冒頭に採り上げられる。で、出版社やNHKなどの全国規模の大会、そして宮内庁の歌会始などを通じて「歌人」となってゆくのである。「俵万智」とか殆どの方がご存じと思うが、彼女は結社「心の花」に所属し、佐佐木幸綱に師事している。

以上を踏まえて。

●本文

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笹公人(ささ きみひと)さん。歌集「念力家族」がEテレでミニドラマ化されたのをご覧になった方は多いであろう。昨年に続き名古屋にお招きしての歌会である。ちなみに冒頭のように一般に短歌に進む場合は気に入った歌人に入門するわけだが、自分の場合ラジオの投稿が採用されて誘われた、という次第。結社「未來」にて「抒情の奇妙な歌会」選者(写真のブログアップは許可済み)

歌会のシステムは様々だが、今回は「姫」と「自由題」(テーマ何でも良い)を1首ずつ詠んで持ち寄り、参加者と師範で良いと思ったもの4首ずつセレクト、というシステムにした。で、ランダムに「良かった」「選ばなかった理由」「師範コメント」を付して行く。結果は各自フィードバックして改善したり、含まれた小ネタ雑学をシェアして、歌のネタ元である情報量の追加底上げを図る。「類は友を呼ぶ」というが、ここの歌会の場合、立場や職業てんでバラバラの詠み人が集まるので、いろんな知識、情報、価値観が集約分散する。短歌は収斂芸術だと思うが、歌会はそのピンホールカメラ的機能の具現化最たる姿と言え、刺激的で非常におもしろい。

以下、詠み人共通に参考になると思われる笹さんのコメントと、批評のスタイルの類例として自分のを晒す。

・読み手の解釈にゆだねる「謎」的な部分を残した方が歌としてはおもしろい。種明かし的な部分まで書いてしまうと単なる「見たまま」になってしまう
・「具体」「描写」を盛り込んで、場面の想像を(オレ註:塩尻の短歌のイベントの際には「五感を刺激するような文言を」というアドバイスを馬場あき子さんがされたように思う。五感が動くと体が場面を呼び出す)
・動詞が多すぎるとごちゃごちゃする上、主体がぼやける。せいぜい3つまで。

ちなみに「名古屋の人は盛り込みすぎ」という話もいただいた。名古屋人はコストパフォーマンスを大切にする。余白よりは突っ込むという思考が根付いているかも知れぬ。

では、恥を忍んで。自作とその評と「作者のコメント」。

【姫】姫様か。ゴスロリ姿が振り返りスマホあてがう口元はヒゲ。(1点)

・マンガっぽくておもしろい。スピード感。でも読み返すといろいろと変(Aさん)
・句読点の意図不明。ゴスロリは姫には思わない(Bさん)
・セーラー服おじさんを想像した(Cさん)
・電話で喋ってるようにも取れる。焦点がぼやける。ゴスロリで姫ってのが結びつかない。オチを言い過ぎ(上記「種明かし的な」)。姫だと思ったらおっさんだったのか、ごちゃごちゃして焦点曖昧(笹)

これはアキバでゴスロリのバックシャンが前にいて、かわいいポーチからスマホ出して喋りながら振り返ったら、そういう人だった、という実体験に基づく。ハルヒの制服姿・黄色いリボンの男程度は前からいたが、ついにゴスロリを着る男も出てきたか、みたいな。句読点は速度抑制効果と、一定の結論の後の裏切りみたいなのを狙った(小説書くときはこういうコントロールしない)。なお、自由の方がまぁ、まともな方向なので、こっちはネタに走ったという部分はある。

【自由】猫カフェのテレビが写すテロ現場かわいそうねと誰かが言った(6点)

・誰かが言った、がテロへの距離感に出ている。かわいそうね、にいい子ぶりっこを感じる。猫カフェの現代感も(Cさん)
・幸せの世界でかわいそうね。猫カフェの猫もかわいそうなのでは。今と世界を切り取った。(Dさん)
・平和とテロとの違和感はくみ取った。よくある取り上げ方なので選んでない(Eさん)
・猫が言ったら「かわいそうにゃ」だし、かわいそうが誰から誰になのか見えづらい。情報が多すぎる。猫カフェの特定意図が見えない。どの現場でも成り立つ話ではないか。猫カフェだと猫もかわいそうという意見があるので、こだわることもなかったのでは。猫カフェなら猫に言わせてもという手もある。少し多すぎ(笹)

これは先のパリのテロで海外メディアがほぼぶっ通しで経過を放送しているらしい中、日本だけいつも通りバラエティ番組などであったこと、ネットで見られたいかにも白々しい「言っておけばいいや」な発言群を皮肉ってみた。猫カフェは平和ぼけの象徴化。こいつで「猫もかわいそうな存在」という見方が出るとは思わなかった。なるほど平和ぼけなら別の方法で象徴化する方が絞れそうだ。

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今日の収穫。自慢自慢。ちなみに他の歌会がどんなやり方しているか知らぬ。ただ、笹さんは否定はしない、詠み人の視点やベクトル自体は尊重し、「こうすればもっと良くなる」というアドバイスをされる。もちろん「厳しく断されてもっと鍛えたい」(NHK全国短歌大会特選の中山さん・東京からわざわざご足労いただいたので特出し)という方も。

古墳時代より続く文芸フォーマット。三十一文字が1000年続くというのが面白いじゃないか。

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