直下型は確率的に起こる~阪神淡路大震災に寄せて~
2011年3月9日を起点とし、2016年1月16日までに「日本のどこかで震度5弱以上」の揺れを記録した地震につき、マグニチュードと積算回数をプロットしたグラフを示す。
中途半端に始まる直線が付加されているがこれは補助的に手描きした物(最小自乗法などは用いていない)。また、日本列島は大きくフォッサマグナで東西別々のプレートに分かれるが、ここでは区別せず日本列島全体を見ている。
これの意味するところは二つ、そもそも、「地震マグニチュードと発生確率」には実験的に求められた一定の相関がある(グーテンベルク・リヒターの法則)。累積回数を示す曲線が直線に近づいているのは、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)後の地震発生が、この法則の「通常運転」モードに戻りつつあることを示す。また棒グラフは各々のマグニチュードであるが、5~7未満のものが殆どであることを示す。二つ併せて、「だいたい34日に1回はマグニチュード5を越える地震が日本のどこかで起き、震度5弱以上を記録している」とこうなる。ここで「7.3」とあるのは東北地方太平洋沖地震の余震でアウターライズ領域で生じたものであり、「8.1」は小笠原沖の深発地震である。
これは直近1.5年ほどの「震度5弱以上」の震源をプロットした物である。色の違いは深さを示し赤→橙→黄→青の順に深くなる。小笠原沖の深発地震は青丸になる。また、当方が信濃大町で遭遇した2014年長野県北部地震は赤丸で示されている。三陸沖の余震活動が引き続き継続し、以外に、隣接する北海道や関東甲信越、西日本や奄美諸島方面においても、「M5以上」が何かしら起こっていることを示す。これは①三陸の余震だけ見ている②余震は終わったと思う③南海トラフばかり気にする…いずれも間違いであることを示す。日本列島の地下は「いつでも・どこでも」動きうる。
直下型は突如大きな揺れに見舞われるので、対処・防御は難しく、従い、日頃から転倒落下防止に気を配り、「ここだけは安全な場所」を家屋内に確保しておく必要性を示唆する。
また、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)以降、建物の耐震性は強化され、ガスの元栓が地震の揺れで自動的に閉まるシステム普及したが、カセットコンロや電気ストーブ等、「火の手」の危険は常にある。建物は大丈夫→そこにとどまる、という判断行動は引き続き危険であることを意味する。建物が大丈夫であっても、周りを見回し、火の手の初期消火に努めると共に、延焼の危険回避のためにも避難行動を取るのが絶対である。
再発防止こそが最大の慰霊。
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