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2016年1月21日 (木)

ついに第9惑星________かも知れないから探せよという話

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タイムラインにいっぱいRTが飛んできた。海王星の外側に、公転周期1~2万年、地球の10倍質量の惑星が存在するというもの。

が、そうエポックメイキングなネタではなかったりする。まず、惑星科学の第一人者・国立天文台・渡部副台長の本件に対するコメントを引用する。

「海王星の外側に第9の惑星がある可能性がある」についての緊急コメント:

「たいへん興味深い研究結果であると思うが、すでに2008年に当時神戸大学のパトリック・ソフィア・リカフィカ研究員と、向井正教授(当時:現名誉教授)らが同様の惑星の存在を予想し、予測される軌道を算出しており、それらの先行研究と比較してみる必要はあろう。この種の天体を捜索する最も能力の高い大型望遠鏡は、すばる望遠鏡であるが、今後も種々のサーベイ型専用望遠鏡が立ち上がってくれば、実際に発見される可能性もあるので、期待したい。 渡部潤一(惑星科学)」

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「2008年当時」から言われていたわけ。その当該を当たってみよう。

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(画像クリックで読める、読めるぞ)

要するに。

海王星の外側には太陽系形成時の「残りカス」がうじゃうじゃいるわけだが、海王星から充分離れていれば、過去に海王星など他の惑星の重力で「よろけて」、軌道を乱された経験のない、円軌道の残りカスが多くて良いはず。なのに見当たらない。しからば、乱すような重力持つもの…「第9惑星」がおるのではないか。

で、今回のカリフォルニア工科大学の発表は、残りカスのうち6つの軌道を使い、逆にそいつらの軌道がそうなってしまうような惑星の存在を逆算、公転軌道と質量を割り出した、というものだ。08年の仮説に対し「6カスの軌道が偶然だけでそうなる確率は0.007%」「質量は地球の10倍」「距離は海王星軌道の20倍遠い」「公転周期1~2万年」まで絞り込んでいる。で、デカい望遠鏡を使ってサーベイしよう、という話になったのだ。ちなみに冥王星の1万分の1の明るさとか。

見つかるかな?なお、海王星は天王星の発見(1781年3月13日)後、「こいつ軌道ふらついてる」「外側にまだ惑星あんじゃね?」って話になり、1846年9月に位置が算定され、23日、ヨハン・ゴットフリート・ガレにより発見されている。まぁ遠くて暗いのでそこまでスムーズには行かないだろうが、世界中でデカい望遠鏡をコンピュータ使って24時間スキャンしてるから、計算合ってりゃ何かあるでしょ。

待ちましょう。世紀の瞬間。いやトンボーさんは残念がったりせんだろうよ。それはカイパーベルト天体の発見であり、太陽系外縁の先駆的研究だわ。功績は変わらんよ。

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