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2016年3月11日 (金)

リマインド5年前~東日本大震災を振り返って~【4】

4.観測史上最大

Tw8

意識する方がムリであろう。三陸沖は完全に黙り込んだに等しく「余震収束」という見方もできる。

14:46分。30階建てオフィスビル10階。

職場の給茶機で紙コップにコーヒーを入れる。

その時点、大きな地震を事前に知る術は携帯電話の緊急地震速報のみ。但し、3.11でそれが作動したのは、気象庁が強い揺れ(震度4以上)を予想した「宮城県,岩手県,福島県,秋田県及び山形県」のみ。これは当時のシステムが「時々刻々変わる情報を反映して警報の内容を変える」ようにはなっていなかったから。なお、2016年現在における携帯電話緊急地震速報システムの作動条件と制約は次の通り。

・予測される最大震度が5弱以上である
・端末の存在位置で震度4以上が予測される
・深発地震には対応しない(警報は出ない)

そう「最大でも4と予測される」場合は出ないし、端末の通信先で「4以上」と予測されないと出ないのだ。また、3.11の場合警報が出るまで8.6秒を要している。主要動「S波」は秒速3~4キロであるから、ざっくり震源から40キロ以内では「間に合わない」ことになる。南海トラフのうち、「東海地震」は、震源が陸域に食い込むと考えられており、この場合、間に合わない可能性が指摘出来る。

果たして3.11の地震波は14時47分10秒。オフィスビルのある東京に達した。

小刻みな揺れが10秒、その後、ぐらり、となり、左右の揺れ。

そこまでは9日の地震と同じ経過。同じ場所で同じ規模、そう思った。宮城県沖、本体来たか。

だが、揺れ始めて1分。「長い」ことに気付く。これは普通の地震と違うぞ。予備知識を与えたのは宝永地震。もちろん当時時計はないので、町人の書き残しを学者が時間に直したもの。

3-7分揺れたという。

これはそれではないのか。東海地震ついに来たか。

揺れ始めて1分30秒。

Tw9

2008年に竣工した鉄筋ビルが「びしっ」と言った。コーヒーが溢れた。

初期微動-主要動。それが教科書の書き方。

途中で揺れが更に強まる地震などというものは見知らぬ。これは「普通の大地震」ですらない。

『大丈夫か』

デスクの下に身を伏せながら、どうにかそれだけ妻の携帯へメールを飛ばした。揺れてる最中なら通信遮断の可能性はないからだ。ただ、今思えばもっと具体的に「考慮すべきこと」を書く(テンプレで用意しておく)べきだったと思う。すなわち

・まず身を隠せ
・周辺の火事に警戒
・余震があるので娘を離すな

ギギギギギ…擬音で書くとそうなる。ビルは船のように音を立ててきしみ、左右に大きな振幅で揺らぎ(そうやってエネルギを吸収する設計)、ワンフロアの大部屋を細かく仕切るパーティションが傷口のようにパカパカ動き、可動書庫が何百という法令書籍を入れたまま、長さ5メートルのレールをあっちへガシャーン。こっちへガシャーン。

ただ、倒れる、落下する、が無かっただけ、自分のいたビルはフロアはマシだったと思う。それでも、「ビル自体が倒れたら」という危惧は一瞬、抱いた。

ビル内に警報が鳴り響き、男の声の自動放送。『地震です。このビルは震度7にも耐えられます。安全です』

この時点で6分、経過している。そして、震度も3レベルまで下がってきていた。照明・空調・インターネットは生きている。

「宮城震度7だって」
「うそ!」

庶務ギャル達がヤフーを見て声を出す。ワンセグ見られる携帯電話だが、「就業中」と課長がいさめる。

遠く煙が上がっている(お台場のビル火事)。駅前の道には人だかりが出来ており、JRが止まったことを教えてくれる。

M7.9。栗原で震度7。それは、宮城県地震の再来と思わせ、そしてそのまま、普通に仕事した。

未曾有の事態と知るのは、5時を過ぎ、会議室テレビをつけてからである。

「史上最大M8.8・大津波警報」

津波…この規模だと大変なことになる。役に立たなかった予備知識は、現実に基づく推論へ切り替わった。

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