土日鉄道カシオペア始末記
土曜日曜毎月8日は名古屋市バス地下鉄乗り放題「ドニチエコきっぷ」。
窓口価格600円のこいつを金券ショップで595円で求める。この5円ケチったセコい話から今日は始める。
寝台特急カシオペア。先に定期運転が終了し、夏以降ツアー専用で動かす、という話が発表されたが。
土日鉄道では中古屋に売却した。機関車4両客車12両で14000円という売価であった。元値の25%位だが、「10年」ウチにいてその程度なら上出来だろう。
●買った理由
・国鉄スタイルの夜行急行を走らせるに際し、ペアを組む夜行列車が欲しいと思った
・どうせならお子様受けを狙おうと最新型とした
・機関車は当時現物がそれぞれカシオペア以外に「副業」で別の列車を牽引しており、模型でもムダはなかった
●運用の実態
まずぶっちゃけ、子ども達は「一顧だにしなかった」
「カシオペアだよ」
「ふ~ん。新幹線はないの?」
・速いのが好き→新幹線
・カッコイイのが好き→新幹線と一部の特急列車
・複雑な機械が好き→蒸気機関車
現物オールA寝台個室で渡道するのに5万円を要する「高級列車」だが、実は濃い鉄ヲタには不評だったりする。彼らはカシオペアことE26系客車をこう称する。
「走るパチンコ屋」
比して「夜行列車」を青く塗ったのは19世紀のオリエント急行を運営していたワゴンリ社で
「気品」とか
「風格」
…「青」は卓抜した選択だったということだろう。ちなみに、オリエント急行は日本を走った事があって、それに刺激されて生まれた列車が他ならぬカシオペアなのだが、どうしてこうなった。さても模型は眺めてナンボ。子ども達にそっぽ向かれるパチンコ屋では出番も減る。
一等寝台車マロネ40(昭和23年)。ノスタルジーではなく「夜行向きの落ち着き」はこっちの方が持ってないか?
そして「列車模型」としてメカ的に品質が非常に悪かった。こいつはトミックスの中国製初期の製品だが、走行やライト点灯に関する不具合・不安定性にはとにかく悩まされた。
・カプラの位置が低く、自然解放する(セロテープを挟んでかさ上げ)
・12両では走行抵抗が大きい(新集電システムに置き換えた)
・通電兼用のオモリを始め、導電部材の品質が悪く、すぐ錆びて接触不良を起こす(導電テープ貼付で電路確保)
「CASSIOPEIA」のマークを光らせる電球が入っているのだが、そこには硬い銅線がぐるぐる巻きしてあり、床板をネジ止めすると、導線と件のオモリが締め付けられて電路を構成する。こういうのをやっつけ仕事という。まぁ、走らせるたびどこか不調で調整してた。
そして機関車。現物が「カシオペア以外の仕事」を失い、専用機に変わっていった。上野口は機関車自体が変わった。
手間ばかり掛かって喜ばれるわけでなく、機関車は3種4両を必要とし、それ以外の用途は無い(重いので「青函トンネル」はEH500に牽かせていた)。
結論:もろとも売却してよし
青いDD51は「オリエント急行日本運転」に使えるのだが、そもそもウチに「北海道対応」はこれらしか無かったので、ゼロにしてしまえば、北海道自体、気にする必要はなくなる。
●旅立ち前のおめかし
何でもそうだが「新品に近い方が買い取り値は高い」。そこでちょっと手入れ。
動力系は汚れを取ってグリスアップ。
銀色車体で指紋等は目立つので拭き取り、以後手袋着用。
車輪を新品に入れ替える。なお、最近の車輪導電塗料で黒く染めてある場合多いが、これは
実物が黒いから。ただこれ、メカ的には
・染料と金属粉の合成であり、電気抵抗を持つ
・染料は均一膜厚にならず、応じた凹凸は走行抵抗になる
・走らせているうちに剥げてくる→応じてレールが汚れる
と、デメリットばかりしかなく、一方で走り込んで染料が剥げた位が電気・機械的抵抗が最も小さい、のであるが、「新品同様」にするため交換する。なお、外した車輪は他の転がり性能の悪い車輪を置き換えに使い回すので無駄にはならない(トミックス「新集電システム」の最初期品は車軸の成型精度が低い)。
以下、カプラの傾き改善や通電性能向上のシカケも全部取り外す。室内照明も全部取る。照明付けておいても付加価値にはならないし、トミックスのカシオペアは「室内照明がオプション」=「電源容量の小さな装置でも走らせられる」なのが特徴でもあるので、復古する。
素のママ。初回品限定パッケージとか書いてあるが、無論、付加価値にはならない(売る側は使うだろう)。但し、集電システムは最新化してある。
地下鉄5回、バス2回に乗り、エコきっぷは充分元を取った上で、リュックは空になった。
後悔?特にない。本物のデザインセンスは模型にも影響を及ぼすと納得しただけの話。
ちなみに、クルーズトレイン各社作っているが、ななつ星でもまだちょっと…
この、「走るアールヌーボー」に勝ってると言えるか?
カシオペアよさようなら。
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