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2016年4月 7日 (木)

現代文明は危難を知らぬ

46億年という地球の歴史でホモサピエンスは20万年くらい、電気機械に依存する近代文明は300年ほどの話である。人間は脳がデカいと判断されるわけだが、身体のデカかった恐竜の時代が1億年前くらい。脳がデカくて文明を持つに至る生命種は無かったのだろうか?

生物はその環境で繁殖に適した種が絶滅すると、そこを埋めるように新たな種が生まれる。或いは環境の変化に適応した能力を有した種が台頭する、その繰り返しを経て各所各様の生命が生きている。その中で人間は自らの生存環境…「自然」をぶっ壊しながら繁茂した生命であり、その点でとっとと絶滅して然るべきだったのだが、どういうわけかそのぶっ壊した自然に人工環境をこさえて更に繁殖するという能力をも持っていた。結果地球上あまねくはびこり、その破壊と改造を続けてとどまる事を知らぬ。そういう有様である。

ただ、人類にも絶滅の危機はあった。幾度かの氷河期であり、7万年前頃と言われる火山噴火による地球寒冷化「トバ・カタストロフ」である。最も、それでも「5回」あったと言われる「大絶滅」に比べれば可愛いものだ。

大絶滅を見ると、どれも超大陸の分裂やガンマ線バースト(宇宙から放射線が降り注ぐ)、天体衝突等で地球環境の激変を経ている。細胞組織の直接破壊、極端な寒冷化、酸欠…いずれも地球生命共通にして根幹へのダメージを与えており、トバは「生ぬるい」。また、タイムスケールを見ると、

オルドビス紀末(4.4億年前)
(0.7億)
デボン紀末(3.7億年前)
(0.8億)
ペルム紀末(2.5億年前)
(0.5億)
三畳紀末(2億年前)
(1.35億)
白亜紀末(0.65億年前)

といった間隔であり、ホモサピエンスは「たまたま」その後に生まれて急速に進歩を遂げた種と見る事が出来る。ちなみにであればこれらリセットの間にも似たような高度文明種が生まれた可能性があるが、大きな隕石が一発落ちれば「地殻津波」が起きるので

「跡形も残っていない」だけかも知れない。

地球には「金」がある。金は超新星爆発を経なければ生成される事はなく、もってして地球の構成物質は遠い時空で死を迎えた星系の残滓で出来ていると書くことができる。それは当然の事ながら、地球を構成する全てが原子レベルでバラバラにされる可能性が将来あり得る事の示唆でもある。

自我と観測能力だけは持っている我々は、「絶対の死と滅亡」を感知した時、どんな行動と反応を見せるであろうか。或いはひょっとして、過去失われた文明を成した生命の遺伝子を受け継ぐ者なのか。

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