日向灘沖の地震に留意を
熊本地震は地溝帯の活動である。すなわち「九州が南北に割れる」運動の表れだが、その「割る力」はどこから来ているのか。
・下から吹き上げようとする力がある(阿蘇山)
・どこかが引っ張っている
地学の答えは恐らく後者。中央構造線は元々二つのプレートが閉じた時に、両者の境目がそのままワレメとして残った「古傷」で、当然、外部から力が加われば、古傷から動きが生じやすい。「どこか」が引っ張った結果、中央構造線から割れ、その弱くなったところに下からマグマが吹き上がって阿蘇山になった。とする方が恐らく正しい。もし、阿蘇の噴火エネルギが先に来るなら、地溝帯が沖縄トラフまで続くような形にはならない。
引っ張ったどこかの力。
言うまでもなく日向灘沖で潜り込んでいるフィリピン海プレートである。そしてこの結果、日向灘沖では定期的に地震が起きる。
日向灘の地震リスト
1662/10/31 M7.6
1931/11/02 M7.1
1941/11/19 M7.2
1961/02/27 M7.0
1968/04/01 M7.5
1984/08/07 M7.1
(M7以上のみ)
「気象庁」が「科学的」として持っているのはこれだけ。心許ないので古文書から拾うと
1498/07/09 M7.0?
1769/08/29 M7.7?
1899/11/25 M7.1?
1929/05/22 M6.9?
国の機関が言う確率はこの通り(2014年時点)。
○将来の地震発生の可能性
≪プレート間地震≫
地震の規模 : M7.6前後
地震発生確率: 30年以内に、10%程度
平均発生間隔: 約200年
≪ひとまわり小さいプレート間地震≫
地震の規模 : M7.1前後
地震発生確率: 30年以内に、70%~80%
平均発生間隔: 約20年~27年
普通に考えて、少なくもM7級はいつ来てもおかしくない。
最近、M7級が起きていない。なお、「b値の算出」は「どこまでの地震をデータとして採用するか」でコロコロ変わり、えらい手間掛かるのでやってない
青が1923年以降の683回のデータ。オレンジが過去100回のデータ。どこで「切る」か迷うでしょ。
熊本地震の前の地面の動き(京大西村教授のサイトより)
熊本地震の後の動き。阿蘇地方の動きに目を奪われがちだが、宮崎付近の移動量が増大している事に留意。仮に「引きずり込み」がメインの駆動力なら、地溝帯が割れた事で、綱引きで言えば「相手チームが諦めた」状態にも考えられる。
豊後水道の拡大。ここで、大分との県境観測点(岳山?)の動きの変化を見ると
EW…東西方向が2016年4月半ば過ぎにガクッと変動(沈下)した。
鹿児島。同じく青島(多分)の動きを見る
南北方向がガクン
過去のM7.5級の推定震源。
そして今日。
直近1週間。既に1984年から32年になる。
★21:23の茨城県南部震源M5.6は「いつもの奴」なのでここでは触れません。別記します
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