もって他山の石とできるのかな?~JAXA「ひとみ」が壊れたワケ~
目を通したが「他人に簡潔に伝える」資料じゃねぇなこれは。
まずこれで衛星の姿勢制御と、必要だったことを書いておくわ。
・スタートラッカ:星を使って自分の姿勢を判断するセンサ
・磁気トルカ:地球磁場を捉えて自分の姿勢を判断するセンサ
・リアクションホイール:要は「回転するコマ」こいつの傾きを変えることで姿勢を変える
・スラスタ:小型のエンジンで姿勢や速度を変える
で、ですね。フィギュアスケートのターンを思い出して下さい。腕を縮めると回転が速くなりますね。あれは「角運動量保存の法則」といって、
回転半径(回転中心との距離)×角速度(1秒間に何度移動するか)
は一定、という性質に伴う物です。腕を縮める=半径が短くなる分、回転速度=角速度が上昇する。
ちなみに何か振り子を作ってブラブラさせて。指で持つ位置をオモリの方に近づけていって下さい。オモリの振動がスピードアップするはずです。それの回転バージョンです。
で。
この人は収まっていた箱「フェアリング」から出てきて太陽電池パネルを広げるので、フィギュアスケートの逆、回転速度が落ちる動きになるわけですね。応じた制御用の設定値に、太陽電池展開後、地上から命令セットを送信して、変えるつもりだったそうです。しかし、その命令セットの中身に間違いがあったうえ、命令セットの作成も業者丸投げで、「マイナスの数値を与えてはいけない」という超基本的なミスに気づかず、結果として、衛星は「回転を直そうとスラスタを噴射したら逆に回転が早まる」ようになってしまい、まぁ「ブレーキとアクセルを間違えてコンビニに突っ込む」と一緒ですわ。遠心力で太陽電池ぶっちぎれてしまったと、こういうワケですら。
しかしこれどこを教訓にしようかね。プラスマイナスの間違い?外注丸投げの内容確認の仕組み?
ひとつ、人工衛星は宇宙に行くので「後から直しに行く」ことができない。これはシステム全体の動作をシミュレーションなどで確認しておく必要を示唆する。
文字通りゴミ。ああ、勿体ねぇ。
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