教えましょう。高速鉄道とロケットエンジンの作り方
おじさん親切だから韓国に教えてあげるね。
あ、まちがってイタリアのETR600形貼っちゃった。
韓国さんが使っていらしたTGぶ……KTXのような「動力集中式」は、要するに機関車2台で客車何両かを挟んで動くわけだ。
こういうバネを、人間二人で
←進行方向 人バネ人 =3
こうやって持って進むと考えて欲しい。バネをびよんびよんさせずに進むの難しそうだよね。だから2台の機関車は遠く離れて完全に同一速度か、常にどちらかがちょっとだけ速い、そんな工夫が必要なんだ。TGVは「同期電動機」を使って速度を一致させているし、カセットテープのデュアルキャプスタンは巻き取り側の回転が常に速い。で、今回電車方式を選んだ。バネをたくさんの人で運ぶようなもんだ。振動は少なそうだと判るよね。ここで日本の新幹線は「ベクトル制御」で交流誘導電動機を動かしている。電動機個々の特性に合わせて回路チューニングを行い、電流応答から荷重を分析して最大効率点で必要トルクと回転数を得るって利点がある。でもまぁ、そんな面倒くさいことしなくていいんだ。誘導機の運転は「V/f比一定」……この原則さえ守っていれば、荷重の大きな電動機は適当に速度が下がって、代わりに荷重の軽い電動機が速度を上げて、トータルで適当なところでバランスする。まぁ多少電流は増えるけど速度は出せるさ。それから新幹線では電源高調波を抑制するためわざわざ高力率コンバータなんて回路を積んでいるけど、そんなもの無くても誘導機の回転には支障は無い。なに、多少、無駄な電力消費が増えるだけさ。
75トンロケットエンジン75秒燃焼成功おめでとうございます。灯油を噴き出して火を付ける。最も手堅い手法を選んだのは最も経済的。液体水素と液体酸素を用い、排気は水にするとか、そんな回りくどいことしなくて済みますからね。後は着火時のシーケンスを実際の発射を想定したパターンに見直すのと、燃焼中の安定性ですね。あと、同じ推力持ってる日本のH2Aロケットの補助エンジンが100秒程動きますので、その辺の延長も欠かせませんね。
さてこのエンジン、ポイントは同じ型を大量に生産し、重い・遠距離は多数組み合わせで必要な推力を得ることにあると思うのです。いや実に理に叶った考え方。
2020年までに小型の衛星を月まで。それは9発で。
重たいのは9発を3セット。最大4セット組むことを考えているとか。加法定理に則ったベーシックなスタイルですね。
ちなみにこれはソ連時代の同様な複数合体形の大型ロケットN1
30発。合わせてあります。ちなみにこういう合体タイプ「クラスター化」と言うのですが、1つでも不具合があると、ロケットの方向が狂ってしまうという弱点があります。なので例えば、時計の文字盤にたとえて12時の位置にあるエンジンが止まると、ロケットは6時の方向が相対的に出力が高くなり、12時の方向へ曲がり始めます。これを防止するには12時が止まったら6時も即止める、といった高度な検出と制御が必要です。
でも面倒くさいですよね。
これに対する答えも、この1969年のソ連のロケットが示しています。周辺が24発ですね。そして真ん中に6機加えた。真ん中の6機は周辺24機に比して相対的に「ほぼ中央」にあるので、1個くらい消えても大きな方向ズレにはつながらず、他方、周辺24機も、1個位消えても、そんな大きなアンバランスにはならないのです。N1は当初は失敗しましたが、エンジン素体そのものの改良は続けられ、現在ただいま、ロシア「プロトン」ロケットとして結実しています。ソ連-ロシアと40年を要した訳ですが、今はコンピュータで幾らでも高度な演算、シミュレーションが出来るので、2020年、間に合うことでしょう。あ、ひとつだけ、打ち上げは地球の自転の遠心力を味方に出来る赤道直下が最適ですから、フランスの基地があるギアナが最適だと思います。もちろん、そこまでパナマ運河を越えて輸送するコストは要しますが、北緯35度を超えて打ち上げる灯油代くらい十分ペイします。
ちなみに日本の月面探査は最早民間に丸投げです。そしてJAXAは衛星自体超小型化が進んでいるので、専用の超小型ロケットを開発したそうです。長さ9.54m。ロケット質量2.6tだそうです。
日本はセコいので。豪快なクラスタロケット。頑張って下さいね。
« オマエは何しに会社に行っただ | トップページ | 買い物三態 »
コメント