車両だけじゃないと思うぞ
鉄ヲタはJR型にそっぽを向いている。軽薄で画一的な車両がはびこったからだ…という分析。
外れちゃいないが正確とは言いがたい。「列車に乗る」が「旅の一部」から「移動手段」に変わり、応じた車両で対応せざるを得なくなった、という部分はある。確かにEナンチャラをはじめとする銀色通勤電車は樹脂とSUS板で出来ていて、
「ある用途や想定客先に対しふさわしいと思われる」
設計・内装になっていない。ただそれでも清潔で明るく、空調の効いた車両は他の圧倒的多数の乗客には好評であろう。ひっくり返すと、そんな車両に「旅の一部」を要求する=長時間乗るはヲタくらいのものだということ。
「ゲタ電」という言葉があった。「ゲタで乗るような電車」…文字通りラフな格好で近所へチョト行く、そういう電車である。長距離移動手段が新幹線へ飛行機へシフト。長距離を安価に移動する手段が高速バス、となった結果、それら以外の乗客は当然「ゲタ電感覚」である。確かに中には200~300キロの距離を走る「普通列車」あるが、それを好んで使うのはヲタだけであろうから、それがためにシートタイプはあれにしろ、トイレをつけろ、等々、無理強いであろう。
国民の権益第一の国営ではなく、民営企業になったわけだし。
先の北海道新幹線開業によって引退した485系。登場は東海道新幹線開業と同時で、新幹線の向こうへ、東京・大阪と各地域を結ぶために、生まれた。グリーン車2両に食堂車付き。この栄枯の縁故で分かるように新幹線のバックアップが使命であり、新幹線が北海道に達して使命を終えたのである。
出発を待機する381系。こちらは中央自動車道が名古屋から長野へ伸びるに伴い、曲線の多い木曽谷を高速で通過できるようにと「振り子式」というシステムを伴い開発された車両。食堂車はないがグリーン車は連結。
急行電車165系。多くのヲタが基準にしているのがこのレベルである。明治以来の客車にモーターをつけた構造。すなわち、出入り口とトイレ・洗面所を車端に備え、それらと扉で仕切られた客室を有し、客室にはボックスシートがずらりと並ぶ。それは長距離移動手段が鉄道しかなかった時代のセットアップで、当然「旅」に好適。で、
特急→新幹線化
急行→特急化
によって、急行電車は多くが「急行としての使用」はお役御免となり、その代わり、旧来の「機関車が客車を引っ張る」スタイルの普通列車を置き換えていった。従ってヲタが旅に出て新幹線を降りると、彼らが普通列車として使われておるわけ。で、その彼らも引退期になり、銀色ゲタ電に変わった→何でそれにするんじゃー。こういう構図。なお、完全なヲタの独りよがりであることは論を俟たないであろう。「新幹線以外は地元のための輸送機関に変わった」これが答え。ヲタが老害になってるだけ。オレもヲタだからボックスシートで長距離鈍行の楽しさは知ってるけどね、分かるけどね。でも多くの利用者が求めているのはそれじゃない。
なお、土日鉄道では、意図してゲタ電区間を再現する以外では、少なくもボックスシートにトイレを有した普通列車、グリーン車とビュフェを有した急行列車、そして特急列車を運転しております。
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