過去に心当たり一人
要約すると
・アポリポ蛋白 E4と呼ばれる変異蛋白を産生する遺伝子の持ち主が遺伝型アルツハイマーになりやすい
・同遺伝子の持ち主の海馬(記憶を司る脳の器官)が小さい傾向が見いだされた
というもの。すなわち、幼い時から脳の構造が異なり、応じて、海馬に依存する記憶や学習など認知能力に差違が認められる。
サラッと書いた。この病気の原因究明・治療や症状進行の鈍化に生かして下さいと書けばよい子の日記で終わるが、引っかかる経験がある。
「学校の成績が悪い」は大きく以下の2タイプどっちかである
・テスト対象科目に興味が無く、その勉強が億劫
・覚えられない。理解できない。
ここで「勉強は出来ないくせに●●は凄いんだから」というタイプは大丈夫である。大好きを深く記憶し把握するというのは重要な才能である。だましだまし勉強をさせて、好きなものと結びつく年齢まで頑張れば良い。勉強と好きなモノ覚えることがシナジーを発揮すると分かった時(あるいは好きなモノ極めるためには勉強が必要と分かった時)、その意欲は開花する。よく書くが、鉄道好きなら機械と電気と物理学を一度に理解しないとならない。その代わり「電子回路がこういう動きをするからあの音が出る」と一瞬で結びつくので理解が早いことになる。
そうでないなら。
中学の頃、同級にこんな奴がいた。
「ぼく、何やってもどうやっても覚えられないし分からないんだ。数学」
黒板丸写しするレベルでノートを取り、教科書や練習問題を繰り返し解く。教員の依頼もあり、聞かれれば一緒に解いたし、たとえば「等式の変形」は鉛筆並べて動かして「両辺に同じ加工をする分には構わんのだ」と何度も説明した。しかし、彼のテストは1問目「次の計算をせよ」で1個2個マルが付いてれば上等。数直線や図形、文章問題は完膚なきまでに白紙であった。計算は端的にはパズルだが、他は題意に基づいて図式化したり、パズルに置き換える作業が求められる。その辺の脳内回路が彼にはどうしても構築できなかったのだ。
「教えてくれたのにごめんね」
どうやっても分からない。幾ら読み書きしても覚えられない。こんな苦しいことはあるまい。しかもそれでどんどん成績は悪化し、遅れて行く。恐怖なのではあるまいか。でもそれが病気であるというなら、対応策の登場を願うばかりである。
ちなみに、彼がその後どうなったか、自分は転校してしまったから、分からない。
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