コアレスモータと言う奴 #鉄道模型
トミックスがついにコアレスモータ搭載を正式にアナウンスした。
従来型のモータではナーバスな設計要素が存在する旨は先に書いたとおりである。しかしオーディオもそうだが、「所要の接続と操作をすれば所要の性能が得られる」趣味において、「その技術的な原理やメカニズムを知っていないと不利益が生じる」というのはいかがな物か。
コアレスはその最たるもので、要は「クセ」がある。その辺をダラダラ書いて行く。
まず、従来型のモータとそのばらしである。中央のコイル巻き巻きが「コア」である。左側はただのケースのようだが
磁石が貼り付けてある。「界磁」を発生する。こいつと、コアのコイルが吸引反発してモータは回転する。なお、本物の電車や産業用モータではここも電磁石になっていて、界磁力をコントロールできる。「弱め界磁」という言葉を聞くと思うが、それは界磁コイルの電流を少なくして、発生する磁力を弱める制御を言う。
(TDKのサイトより)
さてコアレスモータはこの「コア」と「界磁」の位置関係を逆転させた物を言う。コアの位置に永久磁石が鎮座し動かず、その周りをコイルの集団が永久磁石と吸引反発しながらぐるぐる回る。
(シチズンのサイトより)
細かい構造はこいつがいいか。ペットボトルでたとえると、中の飲み物は動かず、ペット部がくるくる回る。
(断面:日本電産)
なのでスッと動いてピタッと止まる。これが特徴。また、磁界は、永久磁石-回転子コイル間に発生するので、従来型モータのように、静止時と回転時で磁界の分布が変わるとか、その弊害と対策とか、考えなくていい。
但し。
鉄道模型のような、「可変速」には少し不向き。僅かな電流でも俊敏に反応するので、鉄道模型における「発車・停止」の微妙なコントロールがやりづらいのだ。また、磁石には磁力の強い素材を使ってトルクを稼ぐが、これが今度は「速く回す」ことを阻害する(引っ張ってしまう)。なので感度を下げるためにフライホイールは逆に必須。
グリーンマックスのコアレスユニット入荷したので交換を始めたが、トミックスの常点灯最低電圧でも動いてしまう。どころか、トランジスタ制御のアナログでも僅かなベース電流で動き出す(抵抗1Ω噛ましてあるがなお)。
仕方ないので牽引力向上を兼ねて鉛板をドカドカ積み込んだ。「へたくそ運転士」レベルにはなったか。
ちなみに同じくコアレス積んでるKATO「C59」も単機だとスタコラ動き出すが、メインの急客機で大体常時10両くらいぶら下げているので、そっちは逆にじわじわした変化を楽しめる。
「大編成に組み、重くする」
各自工夫をw
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