ソニーさんそれでええのけ
NW-WM1Z 3,299ユーロ。日本円で35~40万円。
昨年買ったDCD-SX11の割賦が今月で終わるが、このスーパーオーディオCDプレーヤとほぼ同じ値段でこのキカイである。銅無垢削り出しに金メッキ。質量500g。で、ソニーさんよ「値段に応じた音」は出るのけ。
DSD11.2MHzまで鳴らすことが出来、先に発表された4.4mmバランス出力を持つ。
据え置きオーディオで金属の箱に入れるのは、「0ボルト電位の箱」で包み、外来の電磁波を遮断するためである。また、コンセント交流100Vは本来片方が大地0Vに接続されておる「はず」なのだが、コンセントは表裏どっち挿しても使えることから判るように保証されるものではない。すると「回路網の中で最も面積の広い電位」を基準に回路を作る。大地との電位差はそこに電荷の出入りを呼んで余計な電流(ノイズ)を生むが、面積が広ければ、中にある電荷が全部動くのに時間を要し、交流50や60Hz位なら全部出入りする程は動かない。要はある程度の電位差を保持(コンデンサ)したままで頑張ってくれる。金属の箱で包むという解はここから出る(1つのルート)。
比してこれはどうだろう。電池駆動だから基準電位もへったくれもない。ノイズ遮蔽ならこんな塊の必要性はない。重いと振動に強いが「メカ」はない。ほぼ、半導体の塊。有機物は恐らくはコンデンサの液くらい。
銅無垢38万円というと成金趣味に満ちた某社製品を思うが、その意義と目的が見えないのだ。じゃあこれ家庭用のハイレゾ再生機に使うか?使わないだろう。電池とまた新型のコンデンサを積んでるようだが、据え置きは全波整流のケミコンにフィルムをカプリングしてトランジェントを稼いでいる。ぶっ込める電荷量のケタが違う。ZX1はまだいい。ZX2は異議は唱えるがZX1の延長線上のキカイでコンセプトは判る。ZX100はZX1の音質でコンベンショナルなウォークマンの枠組みに押し込んだ。
イヤホンオーディオの「音質」の大部分は発音体と外耳道と鼓膜。この容積と構造が左右し、あとは聞き手の好みである。そこで再生機までが「個性」を持つとイヤホンに何を選んだらいいか基準が無くなってしまうことになる。一方で純無垢リファレンスとはいえイヤホン駆動程度にそこまで必要とはとても思われない。でっかいダンピングファクタ持たせてねじ伏せるように駆動するという考え方あるのだが、そこまでのパワーは見受けられない(下位機種のA30で30mWというネット情報があるのみ)。
そもこの図体「ウォークマン」としてどうよ。ZX100は壊れるかメモリ枯渇まで使い倒すつもりでいるが、後継も同程度の価格帯以上に上げるつもりはない。あれ、をまねするんじゃなくて、あれ、をヒトケタ万円で凌駕するキカイを作るのがソニーのれぞんでえとるちゃうんけ。
まぁ、好みやから欲しい人を止めはせんけど。回路屋の端くれなもんで何だかなぁ。
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