ガチ避難訓練
「今年から避難誘導隊長をやってくれ」
おうよ。この工場の「名ばかり避難訓練」は、3.11を体験し、南海トラフを控えた状況で毎度むかついていたところ。
13:00
『ぴんぽんぱんぽ~ん。訓練。訓練。地震発生……』
「はいガチで行きます。試験装置の電源を切り、机の下に潜って下さい。机の下に潜って下さい」
地震が起きた時の対応として、火を消せとか身を隠せとか色々言われるが、一般に恐怖パニックが先に立つので、出来る作業は「せいぜい2つ」である。大電力を扱っているので、「電源を切り」であり「机の下へ」である。そして、それら当たり前のことを確実に口にする。恐怖で思考能力を奪われた脳は慣れた行動を反射的に行うからである。その点であの揺れを知っている自分に声かけを依頼したカチョーの判断は正しい。
ゴーゴーガーガーした音が30秒。但しこれもよく書くが南海トラフは5~7分である。3.11東京の揺れ5分間を貼っておく。
時間軸は「14:46:10~14:52:10」である。震度4が10年に一度有るか無いかの土地で、震度3レベル以上が5分も続いて正常でいられるもんか。なお、矢印は震度5へ遷移する瞬間である。揺れ始めて1分30秒後の出来事であった。
『地震が収まりました。集合場……』
「避難します。周辺に火事やけが人はありませんか?無ければ、ヘルメットをかぶり、出口3へ。ヘルメットをかぶり、出口3へ」
工場放送なんか生きてるわけない。また、実際には色々崩れ倒れて塵埃モウモウと考えられる。夜かも知れぬ。こういう場合スマホの照明機能は文字通り命の灯火となる。なお、火災やけが人は「すぐ対応」出来ない場合は自分の避難を優先する。見殺しになるが「逃げられる状態にある人」が死ぬ必要は無いからである。余震の危険は極めて高い。
「3番から出ます。ウチの課から」
手を上げて示す。闇の中ならスマホを掲げる。
応じて隣の課もガチに。
「続いて当課になります」
出て行く人数をカウント。報告は整列後になるが、残っている可能性をざっと把握できる。ちなみに本物の時は順番など待つ必要は無いし、その「3番出口」が潰れている場合もある。が、混乱の中では決めごとに従うことでパニックからの早期脱出につながる。
生き残るぞ。まずはそこからだ。
« せとでんのレアもん | トップページ | 【かかりにくい】大人風邪引き46歳【なおりにくい】 »
コメント