さらば、ジムラン
売った相手も発表したタイミングも全てが最悪である。断定的に、「JBL」を知る者は誰もこれを歓迎しない。
ジェームズ・バロー・ランシング。スピーカー技術者。ただ、その名が有名になって行くのは彼の死後、1950~60年代の熱いジャズと相乗効果だ。今もプレミアムブランドとして存在し、大出力アンプでその巨大なスピーカを疾駆する世界に憧れを持つ人は多い。しかし、電気や機械をかじったオーディオファイルからは、技術面で否定的な見方も多い。
さて三星は半導体のアセンブリメーカとしてはまぁ使えると言って良い。なぜなら日本製の製造機械でスタートボタンを押しているだけだから。これがスマホ、家電となると途端に不良が増す。アナログ回路と機械の塊であるスピーカーなんかちゃんちゃらおかしい。同社は自社製品が壊れると壊れた部品に文句を言う。よく書いている/リチウム電池事件で明らかな通り。それは裏返すと「なぜ、そういう設計なのか」理解せずただ作っているだけであることを意味する。ここまで「ものをつくる」行為を軽んじた会社を知らぬ。比してスピーカー、特に高級な奴は木材ブロックを削るが、木なので個々に特性が違い、応じたチューニングで音質を揃える。
やると思うか?そんなこと。
できると思うか?そんなこと。
・スピーカユニット:バネ質量系
・ネットワーク回路:LCフィルタ
・スピーカボックス:共鳴振動板
で、空気の動きや温度を制御する技術も要する。スピーカはただの発音体を貼った箱ではない。低価格品に集成材や樹脂を使うのは材料コストだけが理由ではないのである。「同一の特性で大量生産が効く」からなのだ。
スタックスという希有な日本のメーカは中国資本に買われたが、資本家は全くのパトロンで、スタックス自体は好きにやらせてもらっているという話を聞く。比して「金儲けの臭いをかぎつける」ことを得意とするココが、好き放題38センチ砲を手作りさせると思うか。
A&Kという50万円のポータブルプレーヤを作っている会社が半島にある。ポタ廃人に馬鹿売れと聞くが、50万あるならアキュフェーズを買う。ちなみに音は「ふーん」で終わる。コストパフォーマンスは決していいとは思わない。
だが、売れている。
ここに一つヒントがある。ポータブルはほぼスマホと構成が同じと言うことだ。「音が良い」とされる部品を買ってきてペタペタ貼り付けて、無駄に手間とコストを掛けたピカピカ光る筐体に収めれば良い。「高額オーディオは売れる」「確立したネームバリュー-がある」……それだけで手を出した。まぁ間違いあるまい。ただ、そんな見識でオーディオ成り立たないし、意図した物が思惑通りに売れるとも思わない。リチウム電池が普及して10年は優に過ぎたが、未だに火を噴く時点で技術レベルが知れる。スピーカーに手を出すとか鼻で笑うわ。
JBLよ、さようなら。
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