エントロピーな重力だと?
「ダークマター」というのは恒星質量だけでは説明できない重力現象を説明するために考えられた「謎の重力源」をひっくるめて言う語だ。ブラックホールの他、質量のあるニュートリノ、暗くて見えない星が大量にあるなど、様々なダークマター候補が考えられている。
一方、重力は粒子間に働く他の力(電磁気力・原子核レベルで働く力)と相容れない、ひっくり返して「一つの方程式で全ての力を記述する」という試みに対して大きな壁となっていた。電磁気系とくっつけて書こうとすると、宇宙は「26次元」でなければならないというのだ。
そこまでへんちくりんな構造か?
で、出て来た「異端」理論がこれである。重力はエントロピーのような存在だ。「エントロピック重力」である。
「エントロピー」熱力学の用語。「乱雑さ」とか言われる。秩序は乱れてゆくものという基本原理と性質を意味する。氷が解ける…結晶という秩序ある状態が解放される現象。「森羅万象は混ざり合って中和することを目指す」とした方がわかり良いか。
エントロピック重力理論は、重力もそういう「比較すると力があるように感じられるもの」に過ぎない、とするものだ。確かに、ビッグバン宇宙論に基づく宇宙創成から現在までの流れは、「1個の火の玉」という秩序がバラバラに壊れてゆく流れだ、と捉えられなくもない。これで行くと「ダークマター」のような「見えないけどすごい重力源」というへんちくりんなものを考えなくて済むという。そして今般、大きな重力で光の軌道が捻じ曲がる「重力レンズ」を観測した結果、エントロピック寄りの予測値に良く一致するデータが得られたという。
ホンマカイナ
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