でんきかいろのじつじょう小ネタ2題
●物知り
若手がのたもうた「すのぴさんいろんな回路よく知ってますね」
おいおい。
回路扱う設計はどこもそうだと思うが、こういう回路構成にするな、こういう部品は使うなという「べからず集」がある。それは1980年代からの膨大なノウハウの裏付けでしかし、「~するな」とだけ書かれているものが多い。一方昨今の回路は「とりあえずマイコンで処理する」なので、「~するな」とだけ書かれても背景がピンと来ない。そこで、もう使わないであろう内容の断捨離を兼ね、「べからず」の背景をメルマガ風に書いてばらまいている。もちろん、上長の承認の元。彼はそれを読んで「よく知っている」と思ったのだそうだ。
そうじゃねぇよ。
君が入社した時点でそれらは既に不要だっただけさ。会社は必要のないものは教えない。逆に言うと自分で勉強しないとならない。ただ、放っておくと伝承されないし、余計なものが残る。誰かがやらにゃならん。それだけさ。
●原理だけですから
保護装置にサーミスタを使うことに対し「大丈夫?」と問われたので「大丈夫」と即答したら「本当に?」
おいおい。
「本当にその温度で動作することに信頼がおけない」と「繰り返しで劣化しないか心配」なのだそうだ。結構ベテランの技術者なんだぜ?
「だってマイコンで温度見てるわけじゃねぇじゃん」
いやその温度センサもサーミスタだろうが。ちなみにセンサ用と使おうとしてるヤツとは流す電流が100倍違う。でもそれだけ。
「キュリー温度って磁石が磁石じゃなくなる温度じゃん」
磁石の場合はね。でもコレ磁石じゃねえし。結晶構造が変わるだけだし。
「水が氷と水の間行ったり来たりして『劣化』します?」
「めちゃ高速で変動させたら」
「変動できません。周りの温度をどうなぶろうとこの人固有の時定数でしか動けないし、電流はその時の抵抗値で流れる範囲でしか流れません」
「原理はそうだけど……」
これ原理だけで動いてますから原理通りなんですよ。何だろうこの回りくどさ。コピペ野郎が本や紙媒体の資料に難癖付けてるみたいな。
単純なことを複雑なシステムで実現することに慣れていると、「1つの原理」だけで動作するものには「積み上げ」がないせいか「頑健さ」をを感じないらしい。
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