夫婦を更年期障害が襲う時【1】
●冒頭の能書き
「更年期障害」という言葉は従前、中高年女性のホルモンバランスの変化に伴い、とりわけ感情・言動の急変を指す…くらいの意味合いで流布していた。女性の怒りっぽい言動を捉えて「ありゃ更年期だね」などというのがステレオタイプである。が、このことが「本当に更年期障害で起こっている事」を目隠しし、その可能性に気付きにくし、不理解を生んでいたことは論を俟たないであろう。ネットで「更年期障害」と検索すると、それで起こる出来事が書いてある例は少なく、それと自覚のある女性向けにサプリメントの宣伝をするブログが引っかかる事が多い。すなわち「かも知れない」という気づきを与えてくれるルートもないのである。これは「夫婦」というシチュエーションを考えた時、妻自身は勿論、夫の方も「これは更年期障害なのでは?」という気づきに繋がらず、感情的になり家事をしなくなった…表面的な妻の変化に夫婦仲が不幸になることも考えられる。実際、更年期障害に伴う妻の変化について行けず(理解できず)夫婦生活が破綻する例は少なくないという。
当記事は、こうした不幸を未然に防止すると共に、妻たる女性と、とりわけ夫の理解が不可欠と考え、我が家の事例をベースに、参考となるよう機序と対応を書き留めておくものである。
1.「更年期障害」と言われる状態の概要
「病気」ではないのである。性ホルモンの減少をきっかけに、ホルモンの減少そのものや、これを補填しようとする身体の働きにより、思った通りに動けなかったり、病気に似たような症状が出たり、実際病気になったり、そうした不調を総称して言う。この際、元々の持病があると、それが悪化したり、それが引き金になって別の病気や症状をもたらす。なので、気付きにくい、し、「正しい治療方法」も見つけにくいのである。
機序は以下の通り
・女性ホルモン(エストロゲン)が減少する
・ホルモンのコントロール中枢(視床下部)が減少を検知し、分泌促進を指示(性腺刺激ホルモン:ゴナドトロピンを放出)する
・指示しても増えないので「さらに出せ」が繰り返され、最終的に視床下部全体がそれにかかりっきりになり、自律神経のコントロールがおろそかになる
これが「きっかけ」である。以下、自律神経失調の症状が出るし、エストロゲンの減少は活発さをもたらす脳内物質セロトニンを減少させるので、活発さの低下=鬱状態をもたらし、これらは身体の活力を落とすので痛い、動けない…免疫等の活動も低下して病気…とこうなる。
(つづく) と進行
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