オーディオフェスタインナゴヤ2018
これはバナー。いや、デカい看板でもありゃ見出しに使いたかったんだが、そんなもんありゃしねぇ。まぁ看板のデザインとか気にしないような客しかこないわけだが。
これじゃインスタバエ見栄えがせんわ。
●デノン
実はダリのスピーカーを小型のデジタルアンプPMA-60で…って所から会場入りしたのだが、流石にチト無理があった。のでリトライ。スピーカーは803D3。「名器・定番」とされるがガチ聞きは初めて。ブース入って三波春夫で「赤とんぼ」。おお、これが「ケブラーの音」か。オレの耳がハイ上がりなのだろう。ちと違和感がある。
パット・メセニー(曲名失念)。 いいんだが、目を閉じて聴くと「生演奏を彷彿」じゃなくてスピーカーが鳴っている。音質のいいオーディオの音。それでいいんだけど、俺の好みの方向とは違うかな。
●ソニー
ムターのモーツァルトK219。まず感じたのが、ここ数年ずっと変わらない機材Z1ESとAR2の「古さ」。音像明確だが「ハイレゾっぽさ」を強調した感じが鼻につくようになってきた。張り詰めておるがギリギリきつくない、みたいな。ストレート感がない。96/24で流した後、おなじみ5.6MHzリサンプリングと聞き比べ。タメがあってアナログライクな音になる。でもリサンプリングノイズ感じるよ?その後レコードで「マイファニーバレンタイン」。再生機は例のハイレゾマークの付いたヤツだわ。サーというノイズに乗って狭い音。幾らレコードブームで聴衆がおっさんばかりだからってこれはちょっとひどい。
●エソテリック
でかいラッパがお迎え。ここは自分の求める傾向じゃないので技術的チェックの意味合い。音自体はすげえ。物量投じたなりの出来上がり。巨大スピーカをバッキバキにドライブする。
●アキュフェーズ
送り出しがDP-950/DC-950。アンプはプリC-3850。DG-58を挟んでパワーA-250×2。スピーカーはPL500Ⅱ。圧巻のハイエンドシステム。
まぁ「アキュフェーズの音」だわ。好き嫌いあろうが没入感ばっちり。ただアナログ段でDGを挟む(アナログ→A/D→信号処理→D/A→アナログ)せいか、少し曇る。少しね。だから曲ごとの感想はなし。
「DGをここに入れると言うことは、素のままのケーブルと勝負すると言うことです」
でもセパレートの出力をもう一回デジタル化ってのは抵抗あるなぁ。ちなみにこれはDGのデモが主体の試聴で、定在波ガーとか、音の調律ノウハウとか為になった。視聴室は周波数71Hzに定在波が付くようで、みんなでうろついて波の山谷体感してまわったw
●ラックスマン
昨年秋から「フォーカル」の国内元締め。応じてシステムもフォーカル。ソプラ3。送り出しと増幅は06u→509X。
サラK。クセのある音と感じた。中低域にもっこり、低めの声が出しゃばってくる。ラックストーンの緩め感は持ってるのだが、それが裏目か。
ブルーベック・カルテット「テイクファイブ」。これはレコードで重量盤45rpm。サックス気持ちいい。レコードの音、ジャズ喫茶の音。
リサ・バティアシュヴィリ「叙情的なワルツ」… 弦と相性が合ってねぇ気がする。綺麗だが「かぶり」を感じるのだ。鮮烈一本槍で聞いてるから裏目ってことかしら。倍音は美しい。ラックスの面目躍如。
●ヤマハ
昨年と同じくNS-5000をフィーチャー。送り出しも同じくヤマハの3000コンビと、ここは増幅が違うアキュフェーズ720+真空管アンプ。
ケイコ・リー。邦楽のジャズカバー「タイムレス」より井上陽水の「リバーサイドホテル」。モニターだな。個性がないのが個性。スタジオこんな音聞いてんだろな。歪みも含めて全て出しちゃう。後からボーカル載せましたって感じでバラしちゃうんだけどいいのかな。
松尾明トリオ「バラッズ」。 ピアノがハイ上がりなのはヤマハビューティ。流石にもうこの手の演色いらんのとちゃうけ。音を張り詰めて聞く感じ。対峙。積極的に対峙する聞き方じゃないと疲れるかな。
ベートーベン「英雄」第4楽章。久石譲+ナガノチェンバー。CD。弦にキツさを感じたら負け。目を閉じるとオケのパート配置が彷彿と浮かぶ。ファーストバイオリンが目立ちすぎな録音だが、いい演奏。かっこいい。正に英雄。
レコード。参考出品のプレーヤでダイアナ・クラール「月とてもなく」(No Moon At All)。ピアノの鳴りが緩やかになる。
ストコフスキ「ハンガリー狂詩曲2番」1961年録音を重量盤45rpm。当時名演・名録とは言え、鮮烈なDSD11.2とか聞いてるとやっぱ古く感じる。
角田ビックバンド「チュニジアの夜」 384/32PCM録音をダイレクトカッティング。すげえハイ上がりに聞こえるのは気のせい?管物がきつく聞こえるほか、ピアノはセパレーションのせいか左右間でバラバラ動く。
送り出し変えてアキュフェーズ+エアタイトATC5+管球ATM-1S。ジーナ・ロドウィック「イフユーラブミー」。あ、これいい。真空管だとスッキリ鳴る感じ。36W(8Ω)というスペックだが充分ドライブできてるし雑味のない端正な音になる。肩の力が抜けて良い感じ。
●まとめ
感じたまま書いたが「悪い」んじゃなくて耳との相性問題なので各社のユーザ気を悪くされないよう。おいらのリファレンスは学生時代池袋のフェアで聞いてたエクスクルーシヴや当時のダイヤトーンで出来上がっている。ずれると違和感になるわけ。
さて今年はあまり各社の状況を書くことが主題じゃなくて、気付いた・気になった以下2点を書き留めておきたい。
①「レコード」でいいのか?
エソ以外の全メーカで「次はレコード」となった。「ネオジム磁石とかレコード全盛では考えられなかったデバイスで見直されている」(アキュフェーズ)そりゃそうだが、現代オーディオはレコードの否定から始まったんちゃうけ。CD→ハイレゾ→アナログ回帰。その都度「ホテルカリフォルニア」…同じ人が歳食って買い直してるだけとちゃうか。にしたってイマドキプラスチックの円盤を針で擦ってハイフィデリティでもなかろうが。重量級45rpmったってそれ故の物理限界はござるよ。「レコードは売れる」そうかも知れない。でも最新技術駆使して最高音質、生々しさを目指すのがオーディオの「一元的品質」とちゃうの?
②「理想のスピーカー」
B&WのD3から出てきた音はショックだった。あんだけ雑誌でもネットの個人でもベタ褒めで、自分の期待と異なるとは。「いい音」と思うが、「自分の」求める方向と違う。デノンのチューニングが悪い?違うだろう。よく言われるがオーディオに部屋の影響はとても大きい。「個性殺してフラットではなく、スピーカの持ち味を生かすために左右揃える」(アキュフェーズ)。するってえと、スピーカの個性を買った人は、部屋に入れてからその「決めた時に感じた個性」を求めてチューニングすることになる。その点、日本メーカのスピーカは得てしてモニターライクだ。物理特性フラットが基本。でもその方が部屋に入れた後好みにチューニングするの楽とちゃうけ。
異論反論あっていいが、そう考えるに至った故は機器の性能もフォーマットの再現能力も上がった故だ、というのはファイル各位共通の認識でござろう。
「いい音」求めて参りませう。
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