品質改善は利益になるのか?
↑納期よりも品質、大抵の工場で掲げている。往々にして納期に追われて品質の詰めは甘くなるw
一方でスマホなんか「初期故障」が多く、店で交換という対応が取られる。「不良を出さない」というより「不良ならすぐ交換」という意識が強い。そしてスマホは殆ど外国製である。感じる「ズレ」はなんだろうか。
「損失関数」(出典)
要するに
・品質向上のコストをケチると、修理交換の費用(品質費)が増大する(全損失Lの右側)
・品質費を下げようとすると、品質向上のコストが増大する(左側)
これ示唆に富んでいて、品質向上コストをケチればケチるほど、全損失Lはごんごん増える。これは人命財産に損害を与えたり、社会的信用を失って顧客が離れる、といった段階に達することが読み取れる。
で、ここで取り上げるのは2項目目である。品質上げようとするとそのためのコストがかさむのだ。精度の良いパーツ、その品質確認のためのテスト、組み立て設備のメンテナンスと製品の性能テスト、テスト項目の増加…「品質第一」は利益的には割に合わないのである。だからそう、大声で言えない「最適値」が出てくる。え?客に不良を掴ませる気か?
対処は二通り。その1、出荷テストで確実に不良を落とす。その2、部品の精度が多少悪くても性能に影響出ないよう設計する。後者をロバスト設計という。ただし面倒くさい。
「品質第一」言うだけなら簡単。
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はじめまして、『サイレントチェンジ』のキーワード検索でこちらにたどり着き、以来ブログを拝見しております。
関西で環境試験器を売る業者の営業しております。
潜在的な故障因子を見つけ出す、言うは易しですがやるとなったら時間や手間が大変ですよね。設備投資も半端ないかと…
またいろいろ勉強させて下さい。
投稿: よび | 2018年4月14日 (土) 07時39分
よび様
ご覧頂きありがとうございます。この手のヤツは理念は分かるけど具体的にはどうなのって場合が非常に多くて、時間切られるとその間でやりきるのが難しく…と結局手を出せずに終わったりします。「こうすればこれができる」が優先されがちですが「これってどんな風に壊れるんだろう」も平行して考える。ここがスタートラインかと。まぁメイドインジャパンもまだまだですね。
投稿: すのぴ | 2018年4月14日 (土) 10時34分