男の子の鉄道好きは
NHKのニュース番組で男の子の鉄道好きを分析
・次に何が来るかな、という楽しみが原点にある
・電車を待つ行為が集中力を高めることに繋がる
いやいや(苦笑)
番組では鉄道好きの子供を「子鉄」と紹介していたが、生まれたときからガチ鉄としては異を唱えざるを得ない。そもそも、この論では鉄と人気を二分する「クルマ好き」の説明が出来ないし、それが「非認知スキル」とやらの育成に役立つならクルマ好きはダメなのかということになってしまう。
男の子(元・現役よらず)うすうす気付いていると思うが、鉄道好きもクルマ好きも根は同じである。
・独立した機能を持った部分を集合させ一つの大きな機能を果たす機械
女の子でそっちに興味を持たない子が非常に多いことに注意されたい。さてここに、男の子が憧れる「ヒーローのリーダー」を重ねる。リーダーに求められるスキルは、メンバーの適性を見抜き、適材適所に配置して、全体として効率よく成果を出す組織に仕立てることである。
・個々の能力を集合させ一つの大きな機能を発揮する組織
見事なアナロジーではないか。
古来、狩猟採集、農耕牧畜、そして国家主体と、人類の飛躍には「組織行動」が伴っていた。従い、その能力に憧れ、手にできる者が選別残留して現代に至るわけで、ひっくりかえしてそういう男の子が多いのはある意味当然と言える。そして男と言えば圧倒的な腕力・筋力であるが、それはスピードや格好良さといったものに繋がるし、力を持って文明勃興後の人類をリードし、逆に女の子には求められなかったから、現代でも少ない、と言える。
であれば多分、番組で紹介されていた方の著作だと思うが「いつ来るか分からない電車を待ち、やっぱり来たという瞬間は特別なもの」が電車好きのトリガーというのは大いに異なることになる。なお番組で紹介していた日暮里の陸橋は、山手線・京浜東北線・東北本線・常磐線・東日本系の新幹線・尾久へ出入りする回送列車と、およそありとあらゆるランクの路線、車輌がひしめき、いつ来るもへったくれもひっきりなしである。でもって、そこに集う子供達はそれぞれの能力の許す限りどの線路を何が走るか把握している。「何が来るか分からない」ではなく、何が来るか分かっているのである。で、全部来るから楽しいのだ。名古屋の神宮前、近鉄大和八木、大阪や天王寺、岡山…名だたる鉄ビューに集まる子供達は同じである。大和八木の近鉄なんか素人目には赤い電車と特急しか無いかのように思えるだろうが、子供達は一般型電車の形式ごとのディテールの相違を把握している。言葉が拙いだけで高価な眼レフで撮影しまくる鉄ヲタじじいとちゃんと同レベルな会話が成り立つ。
子供は子供だましを見抜くとちょくちょく書いてるが、それは子供の認知力をナメた手抜きは「機能集合体」の体を成していないからすぐバレるためである。そしてそれを原理力とする「機動メカ」を好む心理は「反復期待」などという(そんな用語は心理学にないからね)、言っちゃ悪いが薄っぺらい分析とは対極レベルにあると言って良い。
結論:子供なめんな。鉄道好きをなめんな。クルマ好きをなめんな。
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