ドライvsウェット #鉄道模型
Nゲージの線路メンテで「やすりで削るのかクリーニング液で拭うのか」は登場以来ずっと議論になっている。物理的に確かなのは「こびりつく」ので最後は削らないと根本的な解決にならないこと。ただ、削ることにより生じる「レール面のザラザラ」は、新たな汚れを呼び込むというのが液体派の物言い。ちなみにその汚れは車輪と線路が離れることでスパークを生じ、空気中の埃が焦げて車輪やレールに付着する、というメカニズムを有する。液体派の主張はザラザラしている→車輪が細かく跳ねる→スパークが生じやすい、というものだ。
で。
「鉄道模型趣味」2018年5月号、大石省吾氏の記事で「ラッピングフィルムシート」を使って磨くというのを見つけた。
「ポリエステルフィルムに、ミクロン単位で精密粒度管理された砥粒をクリーンルームでコーティング」(3Mのサイトより)
という代物である。サンドペーパーは目の細かさを番号で記してあるのをご存じと思うが、このフィルムシートは#15000まで存在する。ここまで細かいと液体派が気にする水準以下の傷で済む可能性があるのではないか、試してみようと思ったのである。ちなみに、このシート自体は装飾品の仕上げや精密パーツの真円度調整とかに使われるそうな。
さておき。
東急ハンズへ行ったら「あーはいはい」とたやすく案内された。これで500円なり。アマゾン等でも手に入る。番手はTMS記事と同じく10000番としてみた。
前述雑誌記事は偏心駆動とか凝ったことをしていたが、何も考えずトミックスクリーニングカーの円盤に両面テープで切って貼る。やすり面はザラザラした感じは全くなく、でも指を動かすと引っかかるので凹凸の存在が判る。
エンドレス4周回してこの状態。あっという間に真っ黒なのは「削正」出来ている証左。端面がレールの継ぎ目に引っかかることがあったが、それは少し速度を持たせれば大丈夫。
今までは「キムワイプ」を切って貼っていたが、「拭う」威力はヤスリであるだけ高いし、回転摩擦抵抗が低いので、側線など電圧降下を受けてもシャリシャリ回り続けるのは好印象。
しばらくこいつで試行。
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ラッピングフィルムシートを試していただき、ありがとうございます。その後の経過は如何でしょうか。
「鉄道模型趣味」2018年5月号に掲載された記事の通り、ラッピングフィルムで研磨した結果、レール頭頂部が鏡面になりました。詳細は省きますが、約半年前からレールクリーニングを止めて観察しており、月500周程度の運行で今のところキムワイプの乾拭きではカーボン汚れが見られません。凹凸が削られたために汚れが入り込む隙間が無くなったのかもしれません。レールクリーニングの手間が省ければ、鉄道模型ファンにとって朗報になると思います。さらに「乾式」対「湿式」の議論が決着することにも期待します。
投稿: 大石省吾 | 2019年12月 9日 (月) 18時07分
>大石様
こんなネットの辺境までありがとうございます。実は現在別掲の通り「固定式」に移行中で、試運転しつつ、耐水ペーパ1000→ラッピング8000と順次磨き上げ実施中です。弊社(!)トミックスレールで継ぎ目だらけですし、室内灯フル装備で「アーク汚れ」の発生条件が増えますが、平滑まで行き着けば変わって来ましょう。おそらく、ですが、平滑化されれば、アーク防止は「LOCO」等の導電油、カーボン源であるホコリはバキュームクリーニングで行けるものと思われます。
投稿: すのぴ@土日鉄道 | 2019年12月 9日 (月) 22時18分