大阪府北部の地震について
テレビの緊急地震速報の数秒前にパソコン画面こうなって、思わず「やべえ」と言ってしまった。亡くなった方々の事例はいずれもやるせない。親の端くれとして胸が痛い。通勤通学時間帯の最中の直下型であり、もう少し規模が大きかったら、と思うと寒気がする。なおこのように「マグニチュード」が6レベルであっても震源に近ければ揺れは大きくなり、応じて直下であるから逃げたり身構えることもままならない。通勤通学のルート上は「危険な場所はそもそも通らない」などの対応も必要であろう。
で。
メカニズムと今後の動向を書きたいわけだが、それが「専門家」の間でも見解が分かれていると書いたら混乱の元だろうか。
端的な事実は以下。
・生駒断層を北側へ延長し、有馬-高槻断層と交わる辺りが震央である(震源はその地下13キロ)
・地震を起こした力は東西方向に働いたと分かっているが、断層の形式が不明瞭(Hi-netのコンピュータ計算では西北西-東南東方向に圧縮力が働いた逆断層)
「断層の形式」…教科書には正断層・逆断層・横ずれ断層が書いてある。正・逆が「のしあがり・もぐりこみ」方向のずれであり、横ずれは左右すれ違いである。ただ、全ての地震がそんな直角平行にクッキリハッキリ出る分けではなく、ある程度の傾きや正逆と横ずれの複合はありうる。今回は複合であると言えようが、断層形式は各断層帯の特徴を推定するのに有用な情報であるので、それが乏しいことになる。
「日本の活断層」には以下の記述がある。
・有馬高槻構造線以北では、横ずれ断層が卓越し、北東-南西系のズレと、北西-南東方向のズレが共存し、東西方向の圧縮応力を生んでいる
「地震調査研究推進本部」の報告
・東部(宝塚-高槻)は過去約3千年間に3回活動しています。それらの活動の間隔は1千-2千年程度でした。最新の活動は西暦1596年の慶長伏見地震で、その時のずれの量は3m程度であったと推定
一方、生駒断層はというと
平均活動間隔: 3000年~6000年
最新活動時期: 1600年前-1000年前頃
(地震調査研究推進本部)
このように「データ」からだと、今回これらの断層が動くとは出てこない。当然、今後の傾向を示す物も得られない。ちなみに上記「慶長伏見地震」と「兵庫県南部地震」は同じ断層系の歪み残りが400年越しで動いたとする説もあるが、あくまで可能性でしかない。要するに断層の活動周期に対して科学的なデータがあまりに乏しい(100年未満のデータしか無い)。
「Hi-net」を見る限り、地震は2つの断層の「交差点」付近で起きている。このことはそれぞれの断層帯の単独の活動だけを見ていてはダメということを意味しているのではないか。
よらず今後、南海トラフへ向かってこの手の「内陸直下型」が増えて行くしあちこちで起こる。海の向こうばかり見てたら足元からド突きあげられるという可能性が高くなる。
「いつもの道」の危険チェックを。お住まいに「すぐ隠れられる場所」の確保を。
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