中秋に押したハンコは
「新築一戸建て」
仮契約。ローンの与信査定まち。
「告知事項がございまして」
「オバケですか」
「ええまぁ。埋めた古井戸があります」
これはオバケちゅーより地下水脈を埋めてしまうので、行き場を失った水が周囲の地盤を変えたり、埋め戻し材が地下水を汚染したり…といったような部分をスピリチュアルに説明したのが「たたる」になったらしい。まぁ伏流水はござろうよ。ただ、明治期に通った鉄路のすぐそばで、地盤が云々という話は聞いてない。大丈夫だが水の神様にはご挨拶した方が良いかな。
「もう一つ」
「今度こそオバケですか」
「あっはっは、ええまぁ。50年以上前に自死があったと」
「新聞記事とか『行旅死亡人』とか」
「証拠は無いんです。ご近所の言い伝えレベル」
…オバケ屋敷か?すごいぞ、お父さん子供の頃からオバケ屋敷に住むのが夢だったんだ。
中秋の名月の日に重要なハンコ押したのも何かの縁だろ。
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