伊勢湾台風ミニサイズ
「本当に台風来るんですかね」
「大阪でしょう?名古屋は…ねぇ」
いやいや来るからw名古屋もそれなりに風雨になるから。
ちなみにこの人、コースもスケールも、挙動も、「伊勢湾台風ミニサイズ」である。
伊勢湾台風の経路図を示す(「デジタル台風」より)。○の中の数字は日付である。9月26日午前0時に北緯30度線を越えた位置にあった台風15号「VERA」(ヴェラ:国際名)は、一気にスピードを上げて同日18時には紀伊半島に上陸、時速60キロ程度でその晩にかけて名古屋を襲い、27日には東北に達している。人的犠牲5千を超える未曾有の大災害はわずか「3時間」で生じている。
伊勢湾台風それ自体の低気圧としての「性能」は群を抜く化け物であって比較にはならぬ。ただ、以下の事項は酷似する。
・コース
・朝は30度線付近だが、加速して夕刻には上陸する
・列島横断中の速度は60キロを超す
「速度が速い」というのは、一気に天気が崩れることを意味する。朝起きて「まだ大丈夫じゃん」…ひどい目に遭う。実際、伊勢湾台風の時は、昼に気象庁が記者会見をして異例の警告をしたにもかかわらず、危機感が伝わらなかった(テレビ/ラジオが少なかったというのもある)。
また、「速度」は風に対して本来の風速+台風の移動速度という加速条件になる。紀伊半島から西へ上陸するということは、危険半円である上、紀伊半島を避ける南風が伊勢湾へ抜けてくることを示唆する。すなわち伊勢湾・名古屋に風が集まる。
もう一つ言うと、台風は上陸すると水蒸気の供給を絶たれて衰えるが、これだけ速度が速いと「衰える時間が無い」=強いまま接近してくる。
こんなことには流石にならん、とは思う(「伊勢湾台風の全容」中日新聞社)。ただ、昭和34年にはなかった都市ならではの「風向きや風速を変えるもの」「ちぎれて飛んでくるもの」「水の流れを変えるもの」は沢山ある。
(愛知県西部時系列予報)
(名古屋市ピンポイント天気)
企業・学校におかれては英断を求める。え?オレ?昼で帰るか夕方までやり過ごすか。
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